環境に優しいエネルギーとして天然ガスに注目。いすゞ、大型トラック「ギガCNG車」を発表

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2016年01月01日 11:30  FUTURUS

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FUTURUS(フトゥールス)

石油の代替エネルギーとして、脚光を浴びているのは水素。

しかし、水素ステーションが整備されていないなど、まだまだ普及には遠い道のりがあり、政府としても20年計画でロードマップを策定している。

その間はハイブリッドやPHV(プラグインハイブリッド)、EV(電気自動車)などが主流となるとみているが、注目したい代替エネルギーがある。それが天然ガスだ。

天然ガスは『液化天然ガス(Liquid Natural Gas、LPG)』と、気体のまま圧縮した『圧縮天然ガス(Compressed Natural Gas、CNG)』がありそれぞれ特徴がある。

天然ガスの特徴

天然ガスを内燃機関に使った場合、CO2、NOxやPMといったものの排出が少ないというメリットを持つ。

そのため地球温暖化対策、大気汚染の防止と環境に優しいエネルギーと言われるゆえんである。

石油に比べると、天然ガスの採掘可能年数は長く、シェールガスや現在試掘が続けられている、メタンハイドレートなど非在来型まで含めると採掘可能期間は、約250年と言わるほどだ。

また、石油は中東地域への依存度が高いため国際情勢の影響が大きいが、様々な地域で採掘可能な天然ガスは安定的で、エネルギーセキュリティが高いというメリットがある。

特に、運輸部門では98%を石油に頼っているために、大規模災害時に石油供給が滞った場合の物流への影響は深刻だ。それだけに、運輸部門では注目されている。

『CNG』を自動車に搭載する場合、課題となるのは高圧ボンベである。

高圧に耐えられるように頑丈に作られたタンクは大きく、重いために小型車への搭載はデメリットが目立ってしまう。

しかし、バスやトラックの場合、車両が大きいために、比較的そのデメリットの影響は小さい。

もうひとつの課題として、ガソリンと比較して航続距離が短い点があり、そのため路線バスや小・中型トラックへの『CNG』搭載が一般的である。

移動が長く頻繁に補給するわけにいかない長距離トラックへの搭載では大きな障壁となっていた。

長距離トラックへの「CNG」搭載で変わる物流の環境負荷

いすゞ自動車が発表した、『ギガCNG車』は、大型トラックとして初めて東京、大阪間を無補給で走り切ることができる『CNG車』だ。

CO2、NOx排出が少なく、PMをほとんど出さない『CNG車』は、現在長距離輸送の主役であるディーゼル車と比べて環境負荷が非常に低い。

また、最新安全技術となる『プリクラッシュブレーキ』『車線逸脱警報(LDWS)』『ミリ波車間ウォーニング』『IESC(電子式車両姿勢制御システム)』が搭載されており、ドライバーの負荷も軽減、事故防止に役立つ。

脚光を浴びやすいのは自家用車であるが、物流を支えているトラックは、自家用車よりも環境負荷に対する影響度は高い。なかなか注目されにくい分野であるが、このような地道な変化が地球温暖化防止や大気汚染防止につながっていく。

新東名高速を走るトラックが、ディーゼルから『CNG』に置き換わるだけでも大きな変化であろう。

引き続き動向に注目していきたい。

【参考・画像】

※ いすゞ、大型トラック「ギガCNG車」を発表 – ISUZU

※ NGV(天然ガス車) – TOKYO GAS

※ Deyan Georgiev / Shutterstock

このニュースに関するつぶやき

  • : 数年前のいすゞのDPD再生はなんとかならんのかな。
    • イイネ!4
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