「10ベストエンジン2016」から読み解く北米市場のエンジン嗜好

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2016年01月01日 22:00  FUTURUS

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FUTURUS(フトゥールス)

米Ward’s AutoWorld magazineが、1994年から22年間選出している『10ベストエンジン』、2016年の受賞エンジンが決まった。

同じような賞に、英UKPIメディア&イベンツ社が選出する、『インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー』があるが、それとはどう異なるのか。

そしてその傾向はどうなのか、振り返ってみたい。

「10ベストエンジン」

受賞した10のエンジンは以下の通り(排気量順)。

5.2L DOHC V-8 (Ford Shelby GT350 Mustang) 3.6L DOHC V-6 (Chevrolet Camaro/Cadillac ATS) 3.5L DOHC V-6 (Nissan Maxima) 3.0L Turbocharged DOHC I-6 (BMW 340i) 3.0L Turbodiesel DOHC V-6 (Ram 1500 EcoDiesel) 2.0L DOHC 4-cyl./50-kW Drive Motor (Hyundai Sonata PHEV) 2.0L Turbocharged DOHC 4-cyl. Boxer (Subaru WRX) 2.0L Turbo/Supercharged DOHC 4-cyl. (Volvo XC90) 1.8L DOHC 4-cyl./53-kW Drive Motor (Toyota Prius HEV) 1.5L DOHC 4-cyl./120-kW Drive Motor (Chevrolet Volt EREV)

『10ベストエンジン』の特徴は、北米市場で販売、購入が可能な車種が対象であること、そして販売価格がベースモデルで6万1,000ドル以下(約700万円以下)である点だ。

そのためフェラーリやポルシェといったスーパーカーや、日産GT-R、BMW Mモデルは対象外となる。

インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーは、排気量別とグリーンといったジャンルに分けてそれぞれ選出しているが、10ベストエンジンは全体で10台を選出する。

また、今回VWはディーゼルゲート事件の影響によりノミネートを辞退しており、本来技術力が高いエンジンを作れるメーカーだけに、その影響も見逃せない。

そうした背景をもとに、選出された10ベストエンジンの特徴をみていこう。まず目を引くのがその半数が3.0L以上、V6以上という点だ。

特に、トップエンドの 5.2L V8エンジンを搭載するシェルビー GT350ムスタングの最高出力は526馬力に達する一方、販売価格は6万1,000ドル以下に収まっている点は見逃せない。

ある意味、コスパ最強モデルである。

EVやHV、PHVはエコや燃費で評価

一方で、最も小さな排気量のエンジンを搭載するシボレーボルトは、レンジエクステンダー付きEVで、エンジンは発電機として利用。

また、トヨタ・プリウスはハイブリッドモデル、ヒュンダイソナタもプラグイン・ハイブリッドと、エコや燃費といった点も評価している。

過給機をつけるエンジンも多く、10エンジン中4つ。3.5L以上のエンジンだけが自然吸気の純粋なエンジンであり、全体的な傾向としては大排気量か、モーターか、ターボかでトルクを稼ぐ傾向にあるといっていいだろう。

その点でビッグトルクを好む、いかにも北米市場らしい傾向である。

またトヨタ、日産、スバル、ヒュンダイ、BMWといった海外メーカーの選出も数多く、アメリカらしい公平性がみてとれよう。

根強いV6人気とV8信仰

アメ車、といえばこれまで大排気量がその代名詞であり、今もその嗜好は健在。

一方で、過給機やモーターでトルクを稼ぐダウンサイジングの傾向が強まっている。

エコや燃費に対しても一定の理解を示していると言っていいだろう。

とはいえ、北米市場ではV6が人気、V8は最高という信仰が見てとれ、それは今後も続いていきそうだ。

【参考・画像】

※ 2016 Wards 10 Best Engines Winners

※ Lena Pan / Shutterstock

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  • FA20DITの高回転仕様はいつでるかな?
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