「武装化」を進めるアメリカ市民。銃器専門ショッピングチャンネル、サービス開始へ

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2016年01月03日 11:30  FUTURUS

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FUTURUS

FUTURUS(フトゥールス)

アメリカで相次ぐ乱射事件は、この国に暗く深い影を落としている。

「今年この国で起こった乱射事件は何件?」と質問され、正確に答えられるアメリカ人はほとんどいないだろう。

攻撃用銃器を使った犯罪があまりにも多く、当事者であるアメリカ人でも、事件の一件一件をはっきりと覚えていない。

だが、自衛意識の高まりは、日ごとに強まっているようだ。いや、“自衛意識”と言えば聞こえはいいが、要は犯罪者に殺されないように、また犯罪者を自らの手で駆逐するために、強力な武器を買い求めるということだ。

そのニーズを受けたサービスが、来年開始される。

いつでも手軽に銃を購入

インターネットがすっかり普及した今も、テレビによる通信販売は消費者の購買意欲を促す有力な手段だ。

来年早々から、アメリカで『Gun TV』というショッピングチャンネルが始まる。その名の通り、銃器専門の通販サービスだ。

その仕組み自体は、ごく普通のテレビ通販と変わりない。視聴者は『Gun TV』の指定する電話番号をプッシュするか、インターネット経由で欲しい銃を買う。

ただし、商品がダイレクトに届くわけではなく、近所のガンスミスの店に品物が届く。これは法律上、ガンスミスの仲介なしに銃の取引はできないからだ。


動画を別画面で再生する

もちろん『Gun TV』では、様々なタイプの銃が扱われる。日本でも所持できる散弾銃や単射式ライフル、拳銃、アサルトライフル、大口径対物銃。

特に対物銃(アンチマテリアルライフル)などは、我が国の自衛隊ですらも採用していない。そのような代物が、電話一本で買えるのだ。

駆け込み需要と株価

一方で、銃器大手のスミス・アンド・ウェッソン社の株が8年ぶりの高値に達したという。

スミス・アンド・ウェッソンは、日本でも知名度の高いガンメーカーだ。コルト・ファイアアームズと共に、アメリカの歴史を作ってきた企業だ。

「なぜ乱射事件が相次いでいるのに、ガンメーカーの株価が上がるのか?」

日本人はそう考えてしまうが、アメリカでは乱射事件の度に駆け込み需要が発生する。また、オバマ大統領を始めとした、民主党の政治家が銃規制強化を訴えた時も、同様の現象が起こる。「規制される前に買い込もう」ということだ。

もはや、アメリカに居を構えるとしたらランボーかゴルゴ13のようになるしかないのか。そういえば、ゴルゴ13の銃規制問題を取り扱った回で、ゴルゴがこのようなことを言っていた。最後は、その言葉を引用して終わろう。

<銃を持った者同士に相互理解など存在しない。その瞬間から、戦いあるのみだ(SPコミックス第171巻『愚か者の銃』)>

【参考・画像】

Gun TV: home shopping channel aims to sell weapons to viewers – The Guardian

※ 米スミス・アンド・ウェッソン株8年ぶり高値−銃乱射事件で規制議論 – ブルームバーグ

※ Michael Coddington / Shutterstock

【動画】

※ ‘Gun TV’ will sell guns, but won’t ship weapons directly to buyers – YouTube

このニュースに関するつぶやき

  • お隣が22口径買ったんですって!?じゃあウチは38口径を買いに行くか!!その話を聞いた二軒隣は黙って45口径を買いに行った・・・
    • イイネ!1
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