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【今どき絵本作家レコメンズ】tupera tuperaさん ――大人も子どももワクワクさせる、遊び心あふれる作品群

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2016年01月04日 10:33  MAMApicks

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「これぞ次世代の名作!」と思えるような素晴らしい絵本を紹介すべく、100人以上の絵本作家を取材した経験を持つ筆者が、独断と偏見からいちおし絵本作家にフォーカスする、「今どき絵本作家レコメンズ」。

第4回のレコメンド作家は、tupera tupera(ツペラ ツペラ)さん。カラフルな色使いと遊び心あふれるアートな作品の数々で人気を集める、亀山達矢さんと中川敦子さんによるご夫婦ユニットだ。


『かおノート』
作:tupera tupera(コクヨS&T)
人気作『かおノート』は無印良品でも販売されているので、書店の絵本コーナーにあまり足を運ばない人でも見かけたことがあるかもしれない。この『かおノート』、お話があって絵があって……という、いわゆる「絵本」とは違う。顔に見立てたイラストや写真に、目や鼻、口、ひげなどのシールを貼って遊ぶワークブックで、手に取った人が好きなように、それぞれの「かお」をつくることができるのだ。


シールの種類も多様だが、同じシールを使ったところで、貼る位置や角度が少しでも違えば、できあがる顔は千差万別。1〜2歳の子がつくる顔はパーツの位置がはちゃめちゃだったりして、おもしろいものに仕上がることが多い。色鉛筆やペンを使って描き加えれば、さらに独創性がアップ。この一冊があるだけで、赤ちゃんからおじいちゃんおばあちゃんまで、誰だってどこでだって、気軽にクリエイティブな体験ができる。

tupera tuperaさんの絵本はほかにもさまざまなものがあるが、どれにも共通しているのは、「楽しさ」と「新しさ」。自由な発想で生み出される作品の数々を見ていると、つくり手本人がとことん楽しんでつくっていることが伝わってくる。だからこそ見ているこちらもワクワクするし、その斬新さや意外性にドキッとしたりクスッと笑わされたりするのだ。

今回は、そんなtupera tuperaさんの作品の中から、個人的におすすめしたい3作品を紹介する。

■おもしろ顔の野菜たちが「すっぽーん!」と登場『やさいさん』


『やさいさん』
作:tupera tupera(学研)
「やさいさん やさいさん だあれ」のかけ声で右側のページを上に開くと、にんじんやじゃがいもなどの野菜が土の中から「すっぽーん」。ファーストブックとして赤ちゃんから楽しめるしかけ絵本だ。

野菜たちの個性たっぷりな顔がユニークで、繰り返しの言葉のリズムも心地いい。鮮やかな色合いのおしゃれな絵本なので、姉妹作の『くだものさん』とセットで出産祝いとしてプレゼントしても喜ばれるだろう。

感心するのは、野菜のヒントとなる葉っぱの形や質感の表現。簡略化されてはいるのだが、それでもかなり本物を意識してつくられていることがわかる。趣味で畑をやっている筆者の父も「よくできてるなぁ」と感心していた。

絵本の構造上の問題で根菜のみしか登場しないのだが、赤ちゃんの頃からこんなおもしろ顔の野菜たちに親しんでいれば、大きくなってからも根菜だけは嫌いにならずに済むかもしれない。食育にももってこいの一冊だ。

■白と黒の世界へようこそ『へびのみこんだ なにのみこんだ?』


『へびのみこんだ なにのみこんだ?』
作:tupera tupera(えほんの杜)
カラフルなものが多いtupera tuperaさんの作品の中でも、こちらは白と黒にこだわってつくったという異色作。闇のなから現れた蛇が、腹が減ったからと食べ物を飲み込み、うるさいからとニワトリを飲み込む。欲望は次第にエスカレートして……。

白い背景に黒い蛇の見開き、次に黒い背景に白い蛇、飲み込んだものだけがカラーの見開き、という構成が繰り返される。小さかった蛇の体が次第に大きくなっていく展開も目が離せない。どこまでも強欲な蛇の行く末は……? 結末もしっかりブラックだ。

でこぼこにふくらんだおなかの形で「なに飲み込んだ?」とシルエットクイズを楽しめるのだが、小さな子どもにはちょっぴり怖いかもしれない。でも、「ちょっぴり怖い」は子どもにとっては絶妙なスパイス。怖いもの見たさも手伝って、意外と楽しめてしまうことだろう。

「横長の絵本がつくりたい」という思いから生まれたというこの作品。にょろりと長い蛇は、横長の絵本の主役としてまさにうってつけだ。表紙にはヘビ革を思わせるざらっとした紙が使われている。こだわりの黒は、CMYKの4色を掛け合わせた上にさらにスーパーブラックという、印刷技術を駆使した黒の中の黒。手に取った際にはぜひカバーも外して、tupera tuperaさんならではのモノクロームの世界をどっぷり堪能してほしい。

■史上初、パンツを脱がしてから読む絵本『しろくまのパンツ』


『しろくまのパンツ』
作:tupera tupera(ブロンズ新社)
絵本の帯は基本的に販売促進のためのもので、購入後は処分されるケースが多いが、この絵本の帯は誰もが大事にすることだろう。なんと、帯が赤いパンツの形をしていて、表紙のしろくまにはかせたり脱がせたりできるつくりになっているのだ。

パンツをなくしたしろくまさんが、ねずみさんと一緒にパンツを探しに出かけるお話。しましまのパンツや花柄のパンツ、へんてこりんな水玉のパンツなど、様々な柄のパンツが登場するのだが、穴あきのページをめくるとそれぞれのパンツの持ち主が現れるという、楽しいしかけ絵本だ。

「本にパンツをはかせたらおもしろそう」というアイデアが原点となっているそうで、ストーリーもはじめに帯ありきでつくられたとか。子どもが喜んでパンツをはかせたり脱がせたりしていると、あっという間に破れてしまいそうなものだが、そこは心配ご無用。出版元のブロンズ新社に依頼すれば、送料負担だけで替えパンツを送ってもらうことができる。なんとすばらしきアフターケア!
(※詳細は最終ページをご覧ください)

ラストには、話題の芸人のあのネタを思わせるオチが待っているのだが、ネタバレになるので、読んでのお楽しみとしてもらおう。


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ちなみに筆者の息子(2歳)のお気に入りは、色×バスの組み合わせで楽しませてくれる『いろいろバス』(大日本図書)。赤いバスから降りてきたのは真っ赤なトマト、黄色いバスからはふんわりとしたオムレツ………バスから降りてくる予想外の乗客たちに「え、そんなものまで?」と驚かされたり、クスッと笑ったり。バス好きな息子とさんざん読んだ一冊だ。

ほかにも、パンダの衝撃的秘密をばらしてしまう『パンダ銭湯』(絵本館)や、「こ」で始まって「こ」で終わるエンドレスしりとり絵本『うんこしりとり』(白泉社)など、爆笑必至の話題作も多い。“うんこ”なんてものを扱っておきながらも下品にならず、おしゃれ感漂うユーモア絵本に仕上がっているのだから、さすがtupera tuperaさんと思わず唸ってしまう。

今の時期ならおじいちゃんやおばあちゃんも巻き込んで、新作『かおノート モンスター』(コクヨ)でアートな福笑いを楽しむのもおすすめだ。

NHK Eテレの工作番組『ノージーのひらめき工房』ではアートディレクションを担当、舞台美術や映像の分野にも活動の場を広げるなど、絵本にとどまらず、様々な挑戦を続けているtupera tuperaさん。今後もどんな作品でワクワクさせてくれるのか、注目していきたい。

加治佐 志津
ミキハウスで販売職、大手新聞社系編集部で新聞その他紙媒体の企画・編集、サイバーエージェントでコンテンツディレクター等を経て、2009年よりフリーランスに。絵本と子育てをテーマに取材・執筆を続ける。これまでにインタビューした絵本作家は100人超。家族は漫画家の夫と2013年生まれの息子。趣味の書道は初等科師範。

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