生活習慣病やメンタル不調予防へ! 運動の効果に注目

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2016年01月07日 16:01  ノーツマルシェ

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ノーツマルシェ

生活習慣病やメンタル不調予防へ! 運動の効果に注目

運動をよく行っている方は、高血圧や糖尿病、肥満といった生活習慣病の罹患率が低いことが、厚生労働省の調査で明らかになっています(※)。また、これらの運動がストレス・メンタルヘルス維持、生活の質の改善にも効果が認められています。今回は運動とストレス・メンタルヘルスとの関連について取り上げます。


 


■ うつ病に対する運動の効果


1985年の臨床試験になりますが、ノルウェーの精神科医であるエギル・マーチンセン氏が行った研究をご紹介します。


この研究は、日常生活を送ることにすら影響が強く出るほどのうつ病と診断された方49名を対象に、以下の2グループに分け、うつ病の改善具合を調べたものです。


(1)1週間に3日、1時間程度のウオーキング、ジョギングなどの有酸素運動を行うグループ
(2)有酸素運動のかわりに作業療法と呼ばれる、手芸、工作など上肢を使った軽い作業を行うグループ


この研究を9週間続けたところ、有酸素運動を取り入れたグループのほうが作業療法を行ったグループよりもうつ病に大幅な改善が見られたというものです。


 


■ 特に効果が期待できる有酸素運動


運動には、有酸素運動と無酸素運動の2種類があります。無酸素運動の代表例として陸上の短距離走、ウエイトリフティングなどが挙げられます。瞬発的には力が出せますが、その代わり長時間は続けられません。


一方、有酸素運動は、外部から酸素を取り入れ、血糖や体脂肪を燃焼しながら行う運動のことです。軽〜中程度の力を使いながら、運動を長時間持続させることが可能です。この有酸素運動が、うつ病を初めとするメンタルヘルス不調への効果へとつながるのです。


うつ病を引き起こす原因のひとつとして、脳内のセロトニンと呼ばれる神経伝達物質が不足することが挙げられます。セロトニンとは別名「幸せホルモン」と呼ばれるくらい、人間の精神面に大きな影響を与える物質で、心身の安定などに関与するとされています。このセロトニンが不足することで精神のバランスが崩れ、睡眠障害やうつ病になったり、キレやすく暴力的になったりする例も見られます。有酸素運動はこのセロトニンや、ドーパミンなどやる気を起こさせたり、気分を高める働きをもつ神経伝達物質も増やすと言われています。


 


いかがでしたか。生活習慣病やメンタルヘルス不調を予防し、心身共に健康に過ごしていくために、運動習慣のない方はこれからぜひ、特に有酸素運動を定期的に取り入れていくことをおすすめします。


[執筆:浅賀 桃子(メンタル心理・キャリアカウンセラー), 2016年1月7日]


 


【参考】
※ 厚生労働省「身体活動・運動」


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