未来的でインタラクティブな「空中ディスプレイ」の持つメリットと可能性とは

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2016年01月10日 22:00  FUTURUS

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FUTURUS

FUTURUS(フトゥールス)

昨年12月、東京・アクアシティお台場の観光案内所に、日本語・英語・中国語の3カ国語を流暢に話す東芝製の最新型ロボット『地平ジュンこ』が登場した。

案内所にある入力端末から言語と聞きたい情報を選択すると、『地平ジュンこ』が身振り手振りしながら案内をしてくれるというものだ。

訪れた際には、ロボット以外にぜひ注目したいのが、ここにある入力端末。画像を空中に浮かび上がらせる技術を使った『空中ディスプレイ』を採用しているのだ。

この『空中ディスプレイ』とはいったい仕組みなのだろうか。

「AIプレート」を用いた空中結像技術

『空中ディスプレイ』は、株式会社アスカネットの『AI(エアリアルイメージング)プレート』を用いた、空中結像技術によって実現したもの。

最先端のIT・エレクトロニクス展『CEATEC JAPAN』に足を運んだ方は、昨年と今年の展示の盛り上がりが記憶に新しいのでは。


動画を別画面で再生する

空中に映像を出す方法は、世界中で研究されているが、いわゆる“ホログラム”と呼ばれる技法のほか、水蒸気や煙などにプロジェクター投影させる手法に留まっているという。

一方、この『AIプレート』ならば、ガラスや樹脂などで出来た特殊なパネルを通過させることで、実像の反対側、等距離の空中に結像させることが可能に。

つまり、一定の場所に映像モニターを設置すれば、そこに映し出される静止画や動画を反対側に2Dとして表示できるのだ。

期待される様々な分野での利用

『AIプレート』は、何らかの光が作用することで、空中に結像を及ぼす“受動素子”だ。そのため、既存の技術や製品との連携した、様々な分野での利用が期待されている。

一例を挙げれば、見る場所が限定されるポスターや案内板に利用すれば、デジタルサイネージとして注目を集め、導線の障害にもならないというメリットがある。

同社AI事業開発室の堀江氏によれば、アパレルショップにおける進出も睨んでいるとのことで、直感的な操作でコーディネートができるようになれば、導線を確保しつつ、顧客の滞在時間や購買意欲を

医療分野では、“非接触で感染リスク”を抑えることができるほか、手袋をしたままの操作は手術などの現場でも実用的になるだろう。

実際に目の前に見えている画像に触れられるが、色や形があっても実際には触っているわけではない。

同社はこの『AIプレート』の特性と幅広いジャンル最新技術を融合させることにより、視覚、聴覚、触覚といった感覚を与えた、インタラクティブなインターフェースを提案するということだ。

来るべき2020年東京五輪に向けて

2020年といえば説明するまでもない、東京五輪の開催年である。臨海地区を中心に開発が進み、日本各地でジワジワとインバウンドが増加している。

直感的に操作できるというメリットは、今後2020年に向け、ますます増えるだろう訪日外国人観光客にとって、この『AIプレート』は、非常にありがたい存在となりうるだろう。

そして衛生面のメリットは、前述のような医療の場面に留まらない。我が国日本の誇るべき食文化を支える“SUSHI(寿司)”、特に進化を遂げる回転寿司チェーンでの活躍も期待される。

堀江氏は以下の様な例を挙げた。

<タッチパネル式の注文方法を導入している回転寿司チェーンでは、箸だけでなく手で食べる多い寿司の食べ方において、筐体を持つタッチパネル操作を挟むのは、やはり衛生面で不安があります。

しかし、これが『AIプレート』によるパネルに置き換われば、衛生的にも安心。しかも箸使いが苦手な外国人観光客にとって、一石二鳥となります。>

このように、企業向けにもコンシューマー向けにも活躍の場があり、そしてそれは日本の“おもてなし”を推進する一助になりうるのが『AIプレート』最大の特徴だろう。

東京都港湾局との提携も進め、観光案内等における導入を図るほか、各社・各店舗においてデジタルサイネージ導入を推進する方針とのことだ。

次のCEATECでは、どんな技術が実現されているのか。また、2020年の街なかの様子はどのように変化するのか。

今から待ち遠しい。


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【参考・画像・取材協力】

※ アスカネット

【動画】

※ ASUKANET AIPLATE 紹介動画 – YouTube

※ AIplate-large-1 – YouTube

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