額にペタッ。それだけ?
そう、それだけで脳波が測定できる、手のひらより小さなサイズのパッチ式脳波センサが開発された。
このことで、頭全体にあの鬱陶しい、幾つもの電極を装着したり、導電ゲルを塗られたり、何本ものケーブルで繋がれた状態を我慢したりする必要がなくなるという。
この簡便さが、どのような利便性をもたらすのだろうか。
被験者のストレスを低減!手軽なパッチ式脳波センサ
パッチ式脳波センサを開発したのは、大阪大学産業科学研究所の関谷毅教授と金沢大学こどものこころの発達研究センターの菊知充教授を中心とする、医脳理工連携チームだ。
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パッチ式脳波センサは、冷却シートのようなサイズと形状で、額に貼るだけで簡単に装着でき、リアルタイムで脳状態を可視化することができる。
これまでの脳波測定装置では、複数の電極を頭部全体に装着し、多くのケーブルで長時間繋がられるといった、被験者にとってはストレスが大きいものだった。
そのため、子供や認知症の人たちの測定が困難だったのだ。
しかし、パッチ式脳波センサであれば、そのようなストレスは無くなるため、脳波測定がこれまでよりずいぶんと容易になる。
ゆくゆくは、家庭でも気軽に脳波測定ができるようになるだろうと期待されている。
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介護施設や自宅で手軽に脳波検査をできるように
パッチ式脳波センサが開発された背景は、前述の通り、測定器を頭部に装着することに手間がかかっていたと言うことがあった。
複数の電極を装着する際には、頭皮に導電ゲルを塗らなければならないし、ケーブルで束縛されることもストレスだった。
ウェアラブルタイプもあったが、やはり電極を頭皮に当てるために櫛形の電極を使わざるを得なかったし、多数のケーブルからも自由になることはできなかった。
しかし、今回開発されたパッチ式脳波センサが実用化されれば、脳波測定が容易になるため、より多くの脳波データを集めることができる。
また、介護施設や小さな病院、あるいは自宅での脳波測定が容易に行えるようになり、脳波測定による認知症の診断なども、簡易検査で行えるようになるだろうと期待されている。
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そうすれば、認知症などの早期発見も期待できる。
なお、パッチ式脳波センサの詳細については『第2回ウェアラブルEXPO』(2016年1月13日〜15日:東京ビックサイト)で発表される予定だ。
【参考・画像】
※ 阪大など、医療機器と同じ計測精度を持つパッチ式脳波センサの開発に成功 – 日経プレスリリース
※ wavebreakmedia / PIXTA