「車はもっと、低燃費になれる。」窓ガラスをプラスチックにして軽量化しちゃおう!

6

2016年01月15日 10:30  FUTURUS

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

FUTURUS

FUTURUS(フトゥールス)

車の低燃費化競争はぎりぎりの技術競争になっている。同じ排気量や車体サイズであれば、車体の僅かな軽量化が決め手となるだろう。

そのため、自動車各社は様々な工夫をしてきているが、まだ手を付けていない部分があった。

窓ガラスだ。

ガラスというものはかなり重量がある。そして、車には窓が多くガラス部分が多い。

これを軽量化できれば、さらなる燃費改善に役立つのだが……。

窓ガラスの重量を半分にする樹脂ガラス

実は、自動車業界では、窓ガラスを軽量化したいというニーズは以前からあった。

そこで検討されていたのは、ガラスの約半分の重量になる“プラスチック”に変えたいということだった。

しかし、プラスチックには、ガラスほどの耐候性や耐摩耗性が無いため、太陽光線などで劣化したり、傷が付きやすいという欠点があった。

そのため、未だに重たいガラスを使っているのだ。

しかし、ようやく窓をプラスチックに変えるときが来たようだ。

大日本印刷株式会社(DNP)は、2016年2月から、従来のプラスチックの欠点を克服した、耐候性と耐摩耗性に優れた樹脂ガラスを販売開始する。

この樹脂ガラスは、耐候性と耐摩耗性の他に、紫外線による劣化も抑えることが可能になっている。

従来の樹脂の欠点を克服した技術

この樹脂ガラスは、ポリカーボネートなどのプラスチック製の有機ガラスに『DNP超耐候ハードコート転写フィルム』を転写することで、優れた耐候性と耐摩耗性を備え、紫外線の劣化を防ぐことを実現した。

そして、自動車メーカーが待望していた、ガラスの約半分の重量という軽量化を実現できる。

また、透明度はガラスと同等でありながら、加工が容易で製造工程での、CO2排出量も削減出来る。

しかも、耐衝撃性が強いため割れにくく、安全性も高いのだ。

もちろん、自動車の窓に耐えうる製品であると同時に、電車や建設機械の窓にも利用できる。船舶にも使えるのではないだろうか。

DNPは、この樹脂ガラスを自動車だけでなく、電車や建設機械など用に販売する事で、2017年までには累計10億円の売上を目指しているという。

なお、東京ビッグサイトで本日まで開催されている『オートモーティブワールド クルマの軽量化技術展』でも出展されるなど、今まさに注目すべき製品のひとつだ。

車はもっと、低燃費になれる。

【参考・画像】

※ 大日本印刷、耐候性・耐摩耗性に優れた車両用樹脂ガラスを発売 – 日経プレスリリース

※ Rita Kochmarjova / Shutterstock

このニュースに関するつぶやき

  • DNPはただの印刷会社かと思いきやこんな先端技術を開発していたとはびっくりだ。
    • イイネ!1
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(1件)

ニュース設定