空を自由に飛びたい、という欲求はレオナルド・ダ・ヴィンチの時代から共通する人類の夢だ。
ダ・ヴィンチが設計した飛行機は、当時現実化しなかったが、その後ライト兄弟による飛行機発明やヘリコプターの登場により、人は空を移動することが可能となった。
そして、ドローン技術の進化は、人類に更なる自由をもたらすのかも知れない。
自動運転の一人乗りマルチコプター
EHANGが発表したAutonomous Aerial Vehicle(AAV)『EHANG184』は、自動操縦により空を移動する飛行物体だ。
その外見は、昨今流行りのホビー用マルチコプターに近く、その中央に一人乗りのキャビンが設置される。
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飛行機やヘリコプターと大きく違うのは、それがコックピットではなく、客室という点だ。その為、仰々しいメーターやスイッチ類の数々、操縦桿やペダルといった装置は一切ない。唯一タブレットがアームでシートの前にくるだけだ。
その理由は、この『EHANG184』が自動操縦技術を使っている点にある。
搭乗者は操縦者ではなく、お客なのでタクシーの運転手に行き先を告げるように、目的地や経由地をタブレットでタッチするだけで、あとは離陸から飛行、着陸まですべて『EHANG184』任せでよい。
ドローンと同じく、電池によるモーター駆動、アームは4つだが、それぞれ2つのローターを備え、合計8つのローターで飛行する。
特に力を入れているのが、安全面であり、ローターやモーターなど障害が起きた時には、すぐさまフェールセーフ機能が作動、近くの着陸可能なポイントへ緊急着陸する。
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現実化するタケコプター
飛行機やヘリコプターと異なり、近距離〜中距離、低高度での移動に向いているといい、その点では街の中を移動する、まさにタケコプターのような利用形態になるだろう。
ドローン技術の進化は目覚ましく、特に姿勢制御や自動運転技術は、革命的な発展をとげている。
ドローンによる空撮は見るものをうならせたが、この一人乗りマルチコプターが登場した場合は、映像としてでなく“リアル”にその景色を楽しめることとなる。
山岳地帯、離島といった地上交通が不便な場所での観光にピッタリだろうし、東京湾の夜景など、市街地での渋滞を気にすることなく空中散歩ができるかもしれない。
“ドラえもんの登場”にはまだ時間があるが、タケコプターはもっと早く実現しそうだ。
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【参考・画像】
※ EHANG
【動画】
※ EHANG184, world’s first Autonomous Aerial Vehicle – YouTube