「五・七・五・七・七」のリズムに乗せて歌を詠む「短歌」。百人一首で覚えた「朝ぼらけ〜」「ちはやぶる〜」などのフレーズが懐かしく感じますが、今日では口語表現が浸透し、老若男女に親しまれています。
mixiにも短歌コミュニティがたくさん存在します。中でも風流なのが
「フォト短歌」コミュニティ。「百人一首かるた」の絵札と同様、短歌と写真をセットで表現するのが、このコミュニティのスタイル。今回はお題を定めない、その名も
「自由な歌」トピックを紹介します。短歌と写真が融合した独特の世界をご堪能ください。
日常の想いを歌に
まずは日常を詠った歌から。「短歌」というと敷居の高い印象を持たれがちですが、詠う内容は身近なことで問題ありません。そのことがよくわかる２作品を紹介します。
焼き茄子を初めて食し偏食の愚かさを知るこの歳にして
「フォト短歌」コミュニティの「自由な歌」トピック、No.161
宝石の
ような毎日
送ろうと
ピンク色した
メモ帳買った
「フォト短歌」コミュニティの「自由な歌」トピック、No.253
大切な人への想いを歌に
大切な人との関係を詠った作品も。短い言葉の中に、胸に去来する複雑な想いが描かれています。
青空に 白雲浮かべ 風ともに
たどり着きたや きみ住む街へ
「フォト短歌」コミュニティの「自由な歌」トピック、No.33
きみ想い
きみを慕いて過去辿る
残されし片に こたえなかれど
「フォト短歌」コミュニティの「自由な歌」トピック、No.40
いつもだか 帰り道して お月さま
こうして二人 歩いてみてる
「フォト短歌」コミュニティの「自由な歌」トピック、No.201
夏の午後ゲリラ豪雨の来るまでに
あなたへメール書いておいたわ
「フォト短歌」コミュニティの「自由な歌」トピック、No.210
動物たちの愛らしさを歌に
ネコ関連を中心に、動物をモチーフにした作品もたくさん投稿されています。その中から３首を紹介します。
青い鳥
こんなに近くに
いることを
夫が保護した
猫に教えられ
(幸せの青い鳥は日常の中にいることを、夫が保護した猫たちに教えられる毎日です）
「フォト短歌」コミュニティの「自由な歌」トピック、No.293
さくら雨 メジロかわいや かをうずめ 蜜をもとめて 首かしげけり
「フォト短歌」コミュニティの「自由な歌」トピック、No.75
洗濯機 覗きみやれば 猫の仔の 凛と佇み ここは家とぞ
「フォト短歌」コミュニティの「自由な歌」トピック、No.157
忘れられない景色を歌に
感動の思い出がよみがえる光景や日常に欠かせない大切な風景をモチーフにした短歌です。これらの作品にどこか哀愁を感じるのは、私だけでしょうか。
終（つい）の地と定めた千葉を散歩する モネより綺麗な夕焼けの下
「フォト短歌」コミュニティの「自由な歌」トピック、No.309
大の字の火床の眺め幾たびの
プライスレスな筋肉痛
「フォト短歌」コミュニティの「自由な歌」トピック、No.218
漆黒の空のキャンバス焦がしつつ
音の弾けて光は踊る
「フォト短歌」コミュニティの「自由な歌」トピック、No.97
一人旅 ローカル線で みちのく路
阿武隈川に 夕闇迫る
「フォト短歌」コミュニティの「自由な歌」トピック、No.290
在りし日の想いを歌に
幼き頃のかけがえのない体験や多感な時期だからこそ芽生えた感情……。在りし日の思い出を詠った短歌は、大人になった今、胸に染み入ります。
遠い日に
しろつめくさの
首飾り
かけて遊びし
日の暮れるまで
「フォト短歌」コミュニティの「自由な歌」トピック、No.118
以上、「フォト短歌」コミュニティに投稿された短歌でした。どうでしょう、短歌って思ったよりも自由なものだと感じませんか。「五・七・五・七・七」のリズムに乗せさえすれば、テーマは何だってかまわないのですから。短歌にちょっと興味が湧いてきたかも……という皆さん。これを機に、自分の言葉で、ありのままの想いを歌にして投稿してみませんか？(mixiニュース編集部)
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