慶大病院が「未診断疾患外来」と「iPS コンサルテーション外来」を開設

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2016年01月18日 12:30  QLife(キューライフ)

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QLife(キューライフ)

最先端の分析機器で遺伝子を検査、診断の手がかりを

 何度検査しても診断がつかず、病名がわからない患者さんや、従来の治療法では完治が難しい病に苦しんでいる患者さんに朗報です。慶應義塾大学病院は2016年1月から新たに「未診断疾患外来」と「iPSコンサルテーション外来」を開設すると発表しました。

 未診断疾患外来は、従来の医学検査で診断のつかない患者さんを対象にしたもの。専門医が患者さんの症状やこれまでの検査結果をもとに、DNA分析が有用か検討します。有用と判断した場合、採血を行って最先端の分析機器を使い、遺伝子を調べることで診断の手がかりを得ます。

 未診断疾患外来では、患者さんの「かかりつけ医」との連携を重視しています。受診するには、かかりつけ医から匿名のエントリーシートを送り、受診が決まったら予約をします。診断結果の説明も、かかりつけ医と連携して行われることで、安心して治療に取り組める環境が整いそうです。

iPS細胞研究に関する正確な情報を患者さんに提供

 iPSコンサルテーション外来は、遺伝性疾患や変成疾患など特定の疾患を抱える患者さんに、iPS細胞研究についての情報提供を行うもの。近年、iPS細胞への関心は高まりつつあるものの、その関心に応える場がなかったということから、今回開設に至ったといいます。

 こちらもかかりつけ医を通した予約が必要。エントリーシートをもとに医師チームが検討し、受診が有用と判定された場合に受診できます。現時点では治療を目的とした外来ではなく、実際に研究をしている医師が国内外の研究に関する正確な情報提供を行うことを目的としています。

 診断がつきにくい難病の多くは遺伝性疾患であることから、両外来とも臨床遺伝学センター外来内に設置されます。治療の手立てもなく回復も進まず、不安を抱きながら生活している多くの患者さんたちにとって、この両外来が希望の光になることが期待されます。(林 渉和子)

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