【未来探訪#007】便利さが普及のカギ!DMM.make AKIBAが考えるIoT

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2016年01月21日 11:40  FUTURUS

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※ 前回の【未来探訪】はこちら 【未来探訪#006】IoT中心の新「ものづくり」拠点、DMM.make AKIBAの今とこれから http://nge.jp/2016/01/14/post-128733

IoT(Internet of Things)を中心に、新しいハードウェア製品を生み出すスタートアップの拠点として注目されているDMM.make AKIBAに聞く、今とこれからの“日本のものづくり”。

第2弾となる今回は、最前線にいる立場から見る、IoTの定義やどう普及していくか? といった未来予想についてお聞きしてみた。

お話は、前回同様にDMM.make AKIBA総支配人の橋場光央氏(写真左)と、同スペースのエバンジェリスト岡島康憲氏(写真右)だ。

多分野からの参入で盛り上がる

−IoTは、今かなり話題にはなっていますが、一般的には“どんなもの”いうのが今ひとつ曖昧な気がします。その辺りはどう思われますか?

橋場氏、

<確かに、あまりにも幅が広すぎて、分かりにくいというのはありますね。私自身もそうですが、どこまでポテンシャルがあって、何がどうできるのかが、今ひとつ分かっていない。

ただ、いろんな分野から参入できる可能性のある領域であると言えるでしょう。面白い例では、うちの会員さんでファンションデザイナーの方がいらっしゃいます。

その方はIoTやセンサーなどのテクノロジーをファッション表現に活用した創作活動を行われています。

必ずしもエンジニアの方が作らなくてもよいと考えます。様々な分野からIoTという領域に切り込んでもらえば、多種多様な面白い製品が出てくるはずです。>

PCやスマホでできないことをIoTで

DMM.make AKIBA06

岡島氏、

<今、IoTで面白いアイデアを出す人には、元々インターネットの仕事をしていた人たちが多いですね。

2008〜2009年頃、インターネット分野の企画や開発をしていた人の中から、PCや携帯電話のブラウザ内だけではできないサービスを作りたくなる人たちが出てきました。

例えば、何かの作業を行う際に、自動で脈拍を計測し「今は脈拍が上がって落ち着いていない状態なので、もっと落ち着いた時に作業をすすめよう」という風に、脈拍を元にした意思決定デバイスのようなハードウェアを作りたいとします。

が、その実現には脈拍を測る技術が必要です。そのためブラウザだけでの実装は難しいことが予想されます。

このように、現状の課題をテクノロジーで解決しようと考えたときに、PCやスマホだけでは限界があるということに気づき始めた人たちが、増えてきています。

IoTの捉え方の一つに

「ウェブサービスを、どう現実に引っ張り出すか? 」

といった視点があると思います。

ウェブ上のインターフェースが、今まではPCやスマホだけだったのが、これからはペットボトルのふたやイスなどになるかもしれない。ウェブのサービスやインターネット上のリソースにアクセスするためのインターフェースが増えることが、IoTのひとつの側面と言えるでしょう。

イスやテーブル、窓ガラスなど、いろんなものがインターネットに繋がる……、それを突き詰めていくことで、2020年以降の未来が見えてくる。

だから、インターネット側の人たちが、今後さらに参入することで、IoTの様々な可能性が見えてくるかもしれません。>

−IoTで成功するには、ハード系よりウェブ系の人が有利なんでしょうか?

岡島氏、

<必ずしもそうではないです。どっちが有利というより、ウェブ屋さんとハード屋さん、それぞれの畑の人が持つアイデアが合体したときに、面白い製品が生まれると思います。

なので、(前回紹介した)いろんな分野の人たちがコミュニケーションをとることが重要です。

様々な分野の人たちが集まれば、一人でやるより開発のスピードも価値も、グッと上がるはずです。>

利便性の追求でIoTはグッと広まる

DMM.make AKIBA05

橋場氏、

<そういった意味では、先程紹介したデザイナーさんのような人も、もっと増えて欲しいですね。そうなれば、クロスオーバー的イノベーションも増えてくる。

あと、女性的な視点も欲しい。例えば、食洗機は女性のアイデアで生まれたものなんです。男性は、ややもすると機械が好き過ぎて、周りが見えなくなる場合がある(笑)。

それに対して、女性は、生活に関連するものに関して嗅覚がかなり鋭い。

何かを「便利にする」というのもIoTの重要なファクターだと考えると、女性目線は大切。女性がアイデアを出して、男性がそれを作る……そんな組み合わせがあってもいいですね。>

岡島氏、

<これは直感ですが、世の中の人は、ざっくりと2つのタイプに分けられると思っています。 “操作したい人(1)”と“利便性だけ欲しい人(2)” です。

前者(1)は、新しいスマホを買ったら、とにかく全ての機能を試すタイプ。後者(2)は、自分が必要なアプリの使い方だけわかればいいタイプ。できれば、誰かに使い方を教えてもらいたい、とも思っているかもしれません。

IoTは、後者(2)との親和性が高いと思います。よくあるケースとして「電源を入れて置いておけばいい」のなら「使ってもいい」となる。

で、この「置いておけば勝手に動き出して便利な機能を提供してくれる」というくらいの「もてなし感」が、IoT普及のカギですね。>

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橋場氏、

<多機能型の時代は過ぎ去ろうとしているのは確かですね。 スマホなんかも、操作は割とシンプルになって来ていますし。

だんだんと、省けるものは極力省くような傾向になってきています。それでも、組織が大きく、いろんな人が関わっている大企業の場合は、「全部入りにしないと売れないのでは?」と考えがち。

一方、小さいチームで動くスタートアップは、一点突破で、特定の機能に特化したものを作る傾向があります。

どちらがいい悪いではなく、これからは、そういった組織の違いで、作るものが変わってくるかもしれないですね。>

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<【未来探訪#008】に続く>

【取材協力】

※ DMM.make AKIBA

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