インターネットでの購入に「待った!」健康被害のリスクがある健康食品を調査

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2016年01月21日 14:00  QLife(キューライフ)

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QLife(キューライフ)

強壮用、痩身用食品の販売実態と含有成分を調査

 滋養強壮剤やダイエット食品、栄養補助食品などの健康食品。お値段が張りがちなだけに、ちょっとでも安く買いたいとインターネットで購入することも多いのではないでしょうか?しかし、インターネットで販売されている製品、特に輸入されている海外の製品の中には、日本で販売承認を受けていない医薬品成分を含むものがあります。そういった商品は副作用をもたらすリスクがあり、注意が必要です。

 厚生労働省は、無承認無許可医薬品の販売実態と安全性を把握するために、広告などで健康効果を謳う各種製品を購入し、含有成分の調査を行ってきました。2011年以降は、リアル店舗に加えてインターネット販売店も対象としています。製品の購入にあたっては、強壮用、痩身用を目的とした健康食品及び危険ドラッグを対象とし、販売事業者が海外、または所在地が不明のインターネットサイトから購入しています。

 2013年度の調査で購入した健康食品は81製品。調査の結果、81製品中49製品から医薬品成分が検出され、危険ドラッグ52製品については、すべて医薬品成分が検出されました。

日本では承認を受けていない成分を検出、服用によって健康被害の恐れ

 調査によって検出された医薬品成分はさまざまですが、ここでは滋養強壮と痩身効果を謳う製品の中で、代表的なものをご紹介します。

 強壮効果を謳う製品50製品中、33 製品から検出されたのが、ED(勃起不全)治療薬成分ないし、ED治療薬成分の類似化合物です。検出された医薬品成分「シルデナフィル」は、副作用として頭痛、ほてり、鼻閉、心悸亢進を、「タダラフィル」は頭痛、潮紅、ほてり、消化不良を引き起こすことが知られています。ほかにも、類似化合物9成分、その他3成分が検出されていますが、これらは日本では安全性が確認されておらず、承認されていません。

 一方、痩身効果を謳っている製品については、31製品中16製品から7種の医薬品成分を検出。そのひとつである「ジプロフィリン」は、日本では気管支喘息や喘息性(様)気管支炎、うっ血性心不全への適応が認められていますが、意識障害や急性脳症、横紋筋融解症、頭痛、心悸亢進、悪心・嘔吐などの副作用があります。

 海外で製造・販売されている健康食品や医薬品の中には、表示された成分が入っていないものがあったり、表示のない成分が入っていたりする場合もあります。健康被害を引き起こす可能性があるので、海外から個人輸入する場合やインターネットで海外の製品を購入する際は、十分な注意が必要です。

 厚生労働省は、この調査結果と具体的製品名をホームページで公表しています。また、違法であることが疑われる医薬品のサイトを見つけた場合には、厚生労働省・地方公共団体の通報窓口や「あやしいヤクブツ連絡ネット」に通報するように呼びかけています。もし、気になる商品をインターネットサイトや通信販売で見つけた場合、この情報を参考にするとともに、事前に医師や薬剤師と相談しながら購入を検討してください。(宮坂方子)

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