いまも、これからも「イソジン」日本発売55年目の新たな販売戦略とは

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2016年01月22日 14:10  QLife(キューライフ)

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アポロ11号の消毒にも使われた消毒薬

ムンディファーマ代表取締役社長 木村昭介氏(左)、 塩野義製薬薬粧事業部部長 平野格氏(右)

 1955年に世界で初めて製品化され、日本でも1961年に販売が開始された「イソジン」(一般名:ポビドンヨード)は、ムンディファーマ株式会社が開発したポビドンヨードを含む殺菌消毒剤です。

 日本ではうがい薬として知られていますが、海外ではベタダインブランドで、スプレーや軟膏などの殺菌消毒剤としても120か国以上で販売されています。1969年アポロ11号が帰還した際、月からの細菌や微生物汚染の可能性があったため、帰還した司令船と船員を消毒するためにベタダインが使われました。現代では、サウジアラビアやエジプト当局とメッカ巡礼の時期に、感染症予防に対する啓発キャンペーンを実施、西アフリカではエボラ出血熱予防のハンドウォッシュが配布されています。

 ムンディファーマと塩野義製薬株式会社は、イソジンブランド製品に関する日本国内の独占的な販売契約を締結し、2016年1月12日に記者発表会を開催しました。ムンディファーマ代表取締役社長木村昭介氏より塩野義製薬との新たなパートナーシップとイソジン製品の今後の展望を発表。また、塩野義製薬薬粧事業部部長の平野格氏は、パートナーシップの位置づけと感染症事業強化への展望と期待について説明しました。

感染症に対する新たな習慣を作れるかがカギ

 ムンディファーマが2015年に行った調査によると、感染予防として行う習慣では「口をゆすぐ43.3%」「水やお湯、塩水、お茶でうがい20.8%」「市販のうがい薬を使用8.7%」という結果で、意外とうがい薬を使う人は多くない印象です。木村昭介氏は、一般用医薬品(OTC)分野では5年で2倍とイソジンの販売目標を掲げ、そのための戦略としてイソジンを使う新たな習慣の啓発に力を入れるとしています。「現在うがい薬を使っている人は8.7%ですが、うがいはうがい薬を使うという習慣をもっと伸ばせれば、それが販売につながるでしょう。感染症予防として手を洗うときに消毒薬を使う習慣などができればと考えています」と話されました。

 パートナーの一方である塩野義製薬は、新たにシオノギヘルスケア株式会社を設立し、2016年4月から事業を開始すると発表しました。これまでの重点領域である「疼痛」「オーラル」「ビタミン」の3本柱の内「ビタミン」を「健康増進」に変更し、「感染」を加えた4本柱で超高齢化社会へのニーズに応え、事業領域を強化、再構築するそうです。

 「医療用のがん性疼痛治療薬の販売提携を通して長年有効か関係をムンディファーマと築きてきました。ムンディファーマとの協業し、イソジンの販売だけでなく総合感染対策の啓発活動にも取り組んでまいります」と平野格氏はシオノギのコンシューマヘルスケア事業の展望を話されました。

 現在、病院、企業、公的機関などの入り口にあるアルコール消毒液も以前はありませんでした。感染症対策への意識が高まったことで普及した習慣の1例ですが、こうした新たな習慣をいかに作りだしていくかが、これからのイソジンに期待されます。(QLife編集部)

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