【アニメ漫画キャラの魅力】地獄の傀儡師の異名を持つ殺人鬼「高遠遙一」の魅力とは?『金田一少年の事件簿』

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2016年01月25日 10:00  キャラペディア

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『金田一少年の事件簿』は、様々な難事件を名探偵「金田一耕助」の孫である主人公「金田一一(はじめ)」が、持ち前の推理力と理解者でもある「剣持勇」や「明智健悟」達の協力で解決へと導く物語です。犯罪を暴かれた犯人は、自身も死を遂げる、もしくは逮捕されるなどの結末を迎え、基本1事件限りの登場となります。しかし、一握りの例外も存在します。

 今回ご紹介する「高遠遙一」は、凄惨な殺人事件を起こし、一(はじめ)にトリックを見破られ逮捕されるも脱獄を果たし、その後様々な事件の黒幕となり、許されざる宿敵として一(はじめ)の前に立ちはだかります。今回は、そんな危険極まりない男「高遠遙一」の魅力についてご紹介させて頂きます。


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⇒高遠遙一とは?(金田一少年の事件簿)
http://www.charapedia.jp/character/info/11009/


【※一部、ネタバレの内容を含む可能性が御座います。ご注意下さい。】


■人を欺くことに快感を覚える、天性の犯罪者

 「高遠遙一」の魅力を語るにあたり、物語のネタバレを含みます。予めご了承下さい。

 高身長に面長の顔。それほど特徴のない黒髪の真ん中分けと、一見すると普通の優男風ながら、その顔に浮かべる不敵な笑み、底知れぬ恐怖を感じさせる目つきなどから、決して普通の人間からは感じない独特の空気を漂わせます。

 初登場である「魔術列車殺人事件」における犯人であり、トリックを全て「一(はじめ)」に見破られてからの犯人特有の豹変ぶり。マジシャンとして尊敬する母親を死に追いやった者達への復讐という動機・・・。と、ここまでは他の事件の犯人達と比べても、別段特筆するところも無いのですが、決定的に違うところは、「ただ殺すだけではつまらない」という理由から、マジシャンとして、殺人においても観客(警察にも自分からわざわざ脅迫状を送る事で殺人ショーの舞台に招待)をあっと言わせる為の“異常な芸術犯罪”を企んだ事です。

 事件後逮捕されるも脱獄。その後は自身が表立って事件を起こすのではなく、様々な事情で心に傷、闇を抱える人物たちに接触し犯罪教唆をおこない、一(はじめ)や明智を巻き込んだ芸術犯罪を演出し、暗躍を繰り広げます。

■時に共闘する一との複雑な関係

 「魔術列車殺人事件」においては、芸術の妨げとなると一の殺害を謀るも、その後は直接一を殺す真似はせず、決定的な敗北を認めさせるために数多の計画殺人を企画。「金田一少年の決死行」においては、一を殺人事件の犯人に仕立て上げ、さらには明智の殺害をも謀ります。「黒魔術殺人事件」においては、犯罪教唆をおこなった人物が一と知り合いだったため、一を呼び寄せる事で“事件が解決しても辛い結末”を演出する卑劣さを見せます。

 一にとって高遠は、名台詞の「じっちゃんの名にかけて」ではなく、「俺自身の誇りにかけて」高遠と真っ向から立ち向かう強い覚悟を見せ、様々な事件において火花を散らす宿敵として描かれます。

 そんな2人ですが、「露西亜人形殺人事件」においては、高遠自身が関与しない事件であり、全くの偶然で2人は邂逅。この事件で高遠は、世話になった恩人が殺害された為に、犯人を見つけ次第抹殺する事を決意。一は純粋に事件を解決する為、そして“高遠よりも早く事件の謎を解いたら犯人を殺さない”約束を取り付けます。結果的に一が先に謎を解き明かした為、高遠は約束を守り、得意のマジックで一の真相究明の推理を援護。さらに犯人の自殺を阻止するなど、“約束は必ず守る”という高遠の殺人鬼以外の一面を見せます。

 恩人を殺されたものの、犯人に自分と重なる部分を感じたのか

「探偵にちょっと追い詰められたくらいで簡単に自分から死を選ぶようなあなたでは、冷徹な犯罪者にはなりえません。」

「あなたはたった今、一度死んだ。生まれ変わる気があるなら、次はもう少し自分のあるべき姿を見つめ直してみる事ですね」

という、敵役としての美学すら感じる台詞を残すのです。

 また「薔薇十字館殺人事件」において2度目の共闘が実現。今回は高遠の方から一に協力を依頼するというまさかの展開であり、最初から最後まで共闘を維持。2人で事件に挑む姿を、「七瀬美雪」からは「微妙に似た者同士?」と評されるほど、息の合った連携を見せます。しかし、あくまで2人の関係は「闇と光の双子のような存在」、「決して交わることのない平行線」と高遠が評すように、まさに「宿敵」という言葉が相応しいのではないでしょうか。

■真っ当な道を歩む未来もあり得た高遠の悲劇

 犯罪教唆をおこなった相手でも、自身の芸術を汚した相手と判断した場合には躊躇なく殺害するなど、冷酷非情な面が際立つ高遠。しかし、「もしもあの事件さえおこらなければ殺人鬼などにならずにすんだかもしれないのに・・・」と悔やまれるエピソードが高遠にも存在します。

 まずは、上述した「魔術列車殺人事件」の殺人の動機となる、高遠の実母とのエピソードです。複雑な家庭環境で育った高遠は、父に連れて行かれた大人気のマジックショーで、後に母と分かる「近宮玲子」の天才的なマジックに心打たれ、一流のマジシャンとなって再会する事を励みに純粋にマジックの勉強を続けていました。しかし、「近宮玲子」はマジックの練習中に不可解な死を遂げ、高遠の夢は叶わなくなります。その後、母が自分に残したトリックノートをきっかけに、同じマジック団の一員に殺された事を知った高遠は復讐を決意。「地獄の傀儡師」となり、犯罪者として堕ちていくのです・・・。

 また、高遠の高校生時代を描いた『高遠少年の事件簿』においては、家庭環境の悪さもあり、少年時代から“大人にすら恐怖を感じさせる目つき”や雰囲気こそあれ、マジック部での平穏な活動に「こんな日常も悪くない」と感じている少年でした。しかし、そんな日常を破壊するマジック部内での殺人事件が発生。高遠は、この事件を見事な推理で解明していくのですが、最終的に犯人から襲われ初めて人を殺害します(防衛のため)。そして、殺人を犯しても何も感じる事なく、粛々と証拠隠滅をおこない完全犯罪を成し遂げ、本編に繋がる「地獄の傀儡師」としての片鱗を見せるのです。一連の事件さえ起きなければ・・・と無念を感じずにはいられません。

■『金田一少年の事件簿』に欠かす事の出来ない敵役

 事件後に「Good Luck!」という台詞を残して立ち去るのがお約束の「高遠遙一」。人を欺く事はお手の物で、そのポテンシャルは金田一シリーズ最強で、次に高遠は何をしでかすのか?と、シリーズが進むほどに期待も高くなります。現状、犯罪教唆を続けながら、自身のルーツを知る為に実父の影を追っている高遠ですが、彼の向かう結末は一体どんなものになるのでしょうか・・・。「高遠遙一」から決して目が離せません。


【原稿作成時期の都合により、内容や表現が古い場合も御座いますがご了承下さい】


★記者:傭兵(キャラペディア公式ライター【バンタンゲームアカデミー ゲームライター専攻】)

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