多くの職場は、うるさくて無機質で雑然としているかもしれない。
耳に飛び込んでくるのは、上司の叱責、同僚のぼやき、電話の鳴る音、クライアントへの売り込みや謝罪、協力先へのクレーム……。
また、目に飛び込んでくるのは、資料で散らかったデスクや無機質なロッカーの壁、配線が美しくないパソコンの背面や、精神論が標語として掲げられた無粋な額……。
もちろん、これらの職場環境が“仕事している感”を盛り立てる部分もあるので、一概に悪だとは断定できない。しかし、仕事の性質によっては、もっと静かでクリエイティブな空間が必要な時もあるだろう。
そんなときに役立てて欲しいと立ち上げられた働ける美術館『ARTHOUSE』が、クラウドファンディング公開後、僅か30分で目標額を達成してしまった。
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「働く美術館」というコンセプトが支持された
GOB Incubation Partnersと至峰堂画廊銀座店が共同開発した『ARTHOUSE』は、「働ける美術館」をコンセプトにした、新しい形態の美術館のプロジェクトだ。
この『ARTHOUSE』がクラウドファンディングサイト『Makuake』でプロジェクトとして公開されると、わずか30分で目標額に到達してしまったのだ。
アートのある環境で仕事をする、というコンセプトが共感されたようだ。
『ARTHOUSE』はビジネスパーソンが、より創造的な仕事を行える環境として、絵画が飾られた小さな美術館的空間を提供するために、主にワンルームなどの遊休スペースをリノベーションして活用する。
4月にオープンする1号店でのサービス内容としては、午前7時〜午後11時まで営業する。6名収容可能だが、貸切の場合は8名まで利用可能と言うことだ。
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特徴として、飾られる絵画を事前にウェブ予約できることや、チームでの会議などで利用する為に貸切にすることも可能だ。
『ARTHOUSE』に、賃貸として提供したワンルームのオーナーは、美術館のオーナーとしてオーダーメイド美術館を作ることもできる。
「作業」する空間から「創造」する空間へ
この事業責任者である岩本美咲さん(東京大学4年生)は、日本のオフィスが、本当に人が働くことを考えて作られているのだろうか、という疑問を抱き、300人以上の起業家やエンジニア、営業職、企画職、管理職の人たちにインタビューを行ったという。
すると、そこから浮かび上がったのは、リラックスして集中できる空間がない、ということだった。
そこで彼女は、作業する空間では無く“創造する空間”を作りたいと考えた。
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<日本の働く人の空間をもっとわくわくするものにしたい!>
結果、働く空間を、オフィスから美術館へ変えることに思い至った。そのヒントは海外にあったようで、海外の美術館はライブやパーティー、会議などに利用されているという。
それを確かめるために、実際に彼女は昨年の夏にヨーロッパに飛び、100箇所以上の美術館やカフェ、ワークスペースを視察している。
ところで1号店のコンセプトは“和の美術館”だそうだ。まずは日本人が親しみ易い、日本の美から取り入れるとしている。
そこには飛び石があり、畳みや障子がある。
作業から創造に切り替えるために、オフィスから美術館に場所を変えてみるというのはとても趣深い。
【参考・画像】
※ オフィスに代わる「働ける美術館」ARTHOUSE(アートハウス)がクラウドファンディング公開後30分で目標額を達成 – PR TIMES
※ 働く空間を革新する、オフィスに代わる「働ける美術館」を創りたい! – Makuake
【動画】
※ ART HOUSE – YouTube