抱っこひもが捨てられないのは理由がある

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2016年01月26日 12:01  MAMApicks

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街中で赤ちゃんを連れたママパパとすれ違うと、つい振り返ってしまう。
「うわー小さい、まだ2ヵ月くらいかな? うちもあんな時あったはずなんだよなあ、そんなに昔でもないのにあのサイズ感はもう覚えてないなあ」
と、赤ちゃんにも興味津々だが、目下、筆者が気になるポイントは抱っこひもだ。


子どもの成長は早い。そして、子育て関連グッズ&必需品が世に出るスピードや移り変わりも目まぐるしい。なかでもとりわけ抱っこひもは、「今ってこんなにたくさんの種類があるの?」と驚くばかりだ。

我が家は定番中の定番、エルゴのベビーキャリアを使っていた。
「これがほしい!」とこだわりがあったわけではなく、みんな使ってるって言うし、これ買っておけば間違いないか、くらいの気持ちだった。

モデルチェンジのため旧モデルが安くなったタイミングで買ったものなので、私の周囲はその旧モデルを使っている人がとにかく多く、当時はカラーバリエーションも数色だったため、児童館や検診など、多くの親子が集まる場では、バッティングすることも多々あった。「おそろいですねー」なんて初対面の人と話すきっかけにもなった。


そんな見慣れたエルゴの抱っこひも、今はカラフルなものも増え、柄が入ったもの、人気ブランドとコラボしたものなども登場していて、今や子育てグッズというよりファッションアイテムのひとつのようにも見える。

その他のブランドも、メッシュ素材になっていて通気性を考慮したもの、首が据わらない新生児からでも使える横抱っこに対応したもの、対面抱っこではなく赤ちゃんが前を向いた状態で抱っこできるものなど、数年前にはあまり見かけなかったデザインの抱っこひもを次々に出していて、「これだけ選択肢があると楽しそうだけど、逆に何を買ったらいいのか悩みそうだな〜」と、店頭で街中でチェックに余念がない。

とはいうものの、もう抱っこひもは使っていない我が家。最後に使ったのはもう1年以上前だろうか。

赤ちゃんの頃からベビーカーで出かけるときもグズったとき用に抱っこひもを携帯していたが、2歳前後からベビーカーだけでも機嫌よく過ごせるようになったし、ダメならベビーカーから下ろして歩かせればよいということに気付いた。

また、抱っこひもに収納すると弾け飛びそうになるくらい大きくなってしまったというのもある。乳児の頃は抱っこひもにすっぽり納まっていたけど、生後半年あたりから長時間の着用がじわじわと負担になってきた。

1歳を過ぎ、10キロ近くなると、いくら安定感のある作りでも肩や腰にくるものだ。10キロを抱っこした状態で、大量の買い物をしたりするとよろけそうになり、帰宅してだっこひもを下ろすとぐったり、「もう今日は終了でいいですか……」とその場から動けないくらいの疲労感だった。

今でもたまに外出中に「だっこして」とせがまれることはあるけど、「じゃあ、そこまで追いかけっこしよう」などと逆にこちらから仕掛けてみると意外にうまく行ったりして、何とか日々徒歩とベビーカーで乗り切っているので、抱っこひもが要らなくなって楽になったなー、と手放しで喜んでいる。

なのに不要になった今でもなかなか捨てられない抱っこひも。
サイズアウトした洋服や肌着、靴などはうちより小さい子どもがいる友人たちにどんどん譲っているし保育園や児童館で作った創作物なども、一定期間飾っておいたら、後でしれっと処分するようにしている。

そうでもしないと、ただでさえ片付け下手な自分としては追い込まれていく一方なので、捨てるときはあまり深く考えず、物思いにも耽らないようにして機械的に手を動かしているのだが、抱っこひもについては何となく置いてしまっているのは「災害時に使うかもしれない」と万が一のことを考えているからだ。

本気で災害時の対策を考えたときに、抱っこひもを入れるのが得策なのかは分からないのだが、この寒い時期や、夜間に何かがあった場合に、平常時と同じように娘が歩けるかというと恐らくノーだろう。

先日、雪が降った日に保育園まで徒歩で行こうとしたら、何だかいつもと違う様子が不安だったみたいで、歩くのを嫌がったこともあった。子どもは異常事態を敏感に察知するから、災害時にはいつもよりグズったり甘えることが予想される。

となると、はち切れそうでも、ないよりマシかもしれないと思って、抱っこひもを保管している。

「使うかもしれない」だけの理由で置いておくのは不本意だけど、処分するにはなかなか踏ん切りがつかないものなのだ。とはいえあと1年もしたら、はち切れるどころか、完全に入らなくなるだろうから、その時には譲るなり、リサイクルに出すなり考えようと思っている。災害対策は別途検討するつもりだ。


今後も子どもの持ち物を処分する機会がごまんとあると思うのだが、毎回淡々と進められるのかは自信がない。

昨年、関西の実家がリフォームを行うにあたって大量に荷物を処分したらしいのだが、「こんなものが出てきたよ〜」と、写メが送られてきた。母が私のために作ってくれたワンピースだった。

私が幼稚園に通っていたときに、母が洋裁を習っていて、ピアノの発表会や卒園式などはいつも母の手製のワンピースを着ていた。

もう30年くらい前のものだけど、スタンダードなデザインで古びた感じはない。
自分自身が着た記憶も残っていてお母さんが作ってくれて嬉しかったな、という思い出も蘇り、娘がもう少し大きくなったら着せられそうだし「できたら取っておいてほしい」とお願いしてしまった。

とっくに不要になっていたはずなのに取っていたのは、母が歴代縫ってきたものでも自信作だったのかな、と思うと、もう少し残しておきたいと後ろ髪をひかれてしまったのだ。

また、私はミシンの類は一切ダメで、自分で娘にワンピースを縫ってあげることは到底できなさそうなので、一回くらい手製のものを着せてみたいなという親のエゴもあるかもしれない。

しかし今回は、たまたま母が取っておいたものが娘から孫へと受け継がれるという結果論であって、「いつか孫が生まれたときに使えるかもしれないから」みたいな理由でものを取っておくというのはキリがないし、もう使えない手だ。そのへんはシビアに見極めをしていきたい。

今までは私の独断で処分できていたけど、3歳になり、随分知恵もついてきたところで、これからは「捨てないで」と泣かれたり喧嘩もするだろう。それでもなお、いさぎよく断捨離できるか。画策したり、駆け引きしたりとこれもまたひとつの試練になりそうだ。

真貝 友香(しんがい ゆか)
ソフトウェア開発職、携帯向け音楽配信事業にて社内SEを経験した後、マーケティング業務に従事。高校生からOLまで女性をターゲットにしたリサーチをメインに調査・分析業務を行う。現在は夫・2012年12月生まれの娘と都内在住。

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  • 従姉妹にお古貰ったɽ��ʴ򤷤��� けど、ベビーカーはまだ買ってないから首座ってから考えようかな。 記事よんだけど、長かったー。だっこ紐の話だったけど服がなんとか
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