ネット販売、酸素通しにくいレンズ多く
記者会見では、新発売の「エア オプティクス(R) ブライト」に合わせて、オフィスシーンを想定した、「知性」「品格」を備えながらも好感度が高いメイクが紹介された。「美しさ」「ナチュラルさ」「快適なつけ心地」を追求した“プレミアム・クラス”のコスメティックレンズ「エア オプティクス(R) ブライト/カラーズ」を2月1日から発売する日本アルコン株式会社は、1月21日に都内で記者会見を開催。聖マリアンナ医科大学眼科学教室の松澤亜紀子先生が、「カラーコンタクトレンズの基礎知識と安全性」と題して講演しました。
交通事故や手術による「虹彩欠損(こうさいけっそん)」に対する虹彩付コンタクトレンズや、「角膜白斑(かくまくはくはん)」に対するコンタクトレンズ義眼など、医療用が主流だったカラーコンタクトレンズ(カラコン)。最近では、黒目を大きく見せたり、瞳の色を変えたりするためのオシャレ目的が主流になり、多くの女性が使用しています。そうしたことで、近年患者さんが増加しているのが、カラコンによる眼障害です。
カラコンの装着時、眼の角膜はカラコンに覆われており、角膜への酸素供給はほぼレンズを通して行われることになります。酸素供給は、レンズの素材がどれくらい酸素を通すかを示す「酸素透過係数(Dk値)」に左右されますが、「インターネットや通販で売られているカラコンの多くは低含水(低酸素透過性)のレンズで、水分が少なく酸素を通しにくいため、角膜浮腫や角膜の傷など可逆的な変化だけでなく、角膜内皮細胞の減少など不可逆的な影響を角膜に及ぼしています」と松澤先生は語ります。
松澤先生によると、眼障害のリスクは、透明のソフトコンタクトレンズと比較して、度ありのカラコンでは1.73倍、度なしのカラコンでは1.70倍高くなる(2014年度厚生労働省科学研究費補助金特別研究事業「カラーコンタクトレンズの規格適合性に関する研究」)といいます。
角膜潰瘍などの感染症リスクも増加
松澤先生はさらに、カラコンに付いている色素に凹凸があると、角膜表面にキズが付いたり、細菌が付着したりして、角膜潰瘍などの感染症のリスクが増加すること、レンズ表面に色素が露出していると、色素が角膜に付着して角結膜障害が生じる恐れがあることも指摘。これらのほか、使用方法・装用方法の問題による眼障害も起こりうるとしています。
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「すべてのカラーコンタクトレンズが悪いわけではありません」と松澤先生。カラコンによる眼障害を減らすには、品質の良いカラコンを流通させ、眼科医が処方に関与するとともに、使用者への指導・啓発が重要である、と語ります。
女性のメイクアイテムとして、もはや欠かすことのできないカラコン。正しい使い方を心がけ、眼の健康に気を付けたいものです。「正しい知識を共有し、眼の健康を守りましょう」(松澤先生)
(QLife編集部)
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