漆黒の夜の空を見上げると、ひときわ明るく輝く大きな星がある。それが月である。
地球にとって“唯一の衛星”にして、最短距離にある天文物体。人類の歴史を振り返っても、その存在は唯一無二、国境問わず誰しもが憧れ、想いを馳せてきた。
月面探査はNASAだけの夢ではない
この、もっとも近しい天文物体へのアプローチ、NASAによる人類初の月面着陸から約50年。
テクノロジーの進化は目覚ましく、月面探査は、もはや国家機関だけの特別なプロジェクトではない。『Google Lunar X Prize』は民間による月面無人探査のコンテストであり、世界中のありとあらゆる人が参加可能だ。
このミッションを成功させるのに欠かせないのが、無人探査機『ムーンローバー』である。月面に着陸後、移動を行うが、重力が地球の 6分の1しかない月面上では、ちょっとした凸凹であったとして、いとも簡単に飛ばされ横転してしまう。
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ミッションでは、500m以上を走行し指定の解像度の静止画、動画を送ることが条件となっているため、ローバーの性能は成否を握る重要なカギだ。
Audiは、4輪駆動技術『クワトロ』を得意とするメーカーであるが、この月面探査機『ムーンローバー』でも『クワトロ』が活かせると考えているようだ。
月面は砂丘のようでもあり、普通の 2輪駆動では埋まってしまうことも考えられる。
また、クローラーを使うと重量がかさみ、ロケット打ち上げの重量制限が厳しい上に、クローラーが外れると完全に動けなくなってしまう。
その点 4輪駆動は重量面で有利で、トラブルにも強い。
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身近なフロンティアへ
月はいつの時代でも憧れの存在だ。その月面を、自分たちの手で作った4輪駆動車で走り回り、これまでみたことのないような景色を見られるというのは、どんな気持ちだろうか。
興奮で夜も眠れなくなることだろう。しかも、それが地上を走る同じ“Audiマーク”をつけたローバーであれば、その興奮もひとしおだろう。
ミッションは、2016年12月末までがコンテスト期間となっているため、ローバーが送る最新の月の画像を見られる日も近い。
【参考・画像】
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【動画】
※ Audi Mission to the Moon – Mission Statement – YouTube