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【プレビュー】NHKスペシャル『ママたちが非常事態!? 〜最新科学で迫るニッポンの子育て〜』 ――産後・育児の孤独とイライラに科学で切り込む

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2016年01月27日 10:41  MAMApicks

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「なんの地獄かと思った」「こんなの聞いてなかった」
……初めての育児中のお母さんの声だ。

多忙で不在の夫。赤ちゃんとふたりきりの時間を過ごすお母さん。夜も昼も眠れず身体はへとへと。初めてでわからないことだらけ。「かわいいね」「つかれたね」「ねむいよね」「これって大丈夫なのかな?」そんな他愛もない声をかけ合う相手が家にいない。

そういう「孤独な」子育て中のお母さんは今とても多い。むしろそういう人の方が圧倒的に多いだろう。

幸せの象徴のような新しくきれいなマンションの一室でさえ、赤ちゃんとふたりきりの密な時間は「なんの地獄?」と感じる空間になりうる。

孤独なんて言ったら贅沢?みんなもそうだし……なんて飲みこみがちなストレートなお母さんの気持ちを現状として見せた、NHKスペシャル『ママたちが非常事態!? 〜最新科学で迫るニッポンの子育て〜』が1月31日(日)に放送予定だ。


■育児の厳しい現場を科学で読み解く!
「Nスペ」かぁ、それを「悲劇的状況」として社会問題として考察するっていう切り口かなぁ……と思いそうになるけれど、この番組、全然違うのだ。

まず登場するのは、チンパンジー・アイ(※)の研究で有名な京都大学霊長類学研究所の松沢哲郎教授。そしてスタジオに登場するのは、ヒトとヒト以外の霊長類との比較を通して、人間の心の発達を研究している京都大学大学院教育学研究科の明和政子教授だ。
チンパンジー・アイ|京都大学霊長類研究所
http://langint.pri.kyoto-u.ac.jp/ai/ja/friends/ai.html

700万年前に、チンパンジーと人間が進化の過程で分化したところにさかのぼり、チンパンジーと人間の違いに注目することで、人間ならではの特徴をあぶり出していく。


例えばチンパンジーで成立する子育て手法が人間ではなぜ成立しないのか、その代わりに人間は進化の過程で何を獲得してどうやって子育てをしてきたのか、そんな切り口で、現代の「孤独な子育ての“無理”」に迫っていく。

もう、この時点で、かなりの科学エンターテイメント的なムード。ほうっ!へーっ!の世界。今の子育て中の母親の声や現状をリアルにきっちり見せるのだけれど、そこに光をあてるのは、意外な科学の領域からなのだ。

■「私のせい?」に陥りやすい初育児の不安
初育児の頃を振り返って、不安0%/ハッピー100%だった、という人に私はまだ出会ったことがない。「私で大丈夫かな……」「私のせいなんじゃないか……」とちらりとでも思ったことの「ない」お母さんて、なかなかいないのではないかと思う。

赤ちゃんの様子がなんとなくおかしい、怪我をした、熱を出した、皮膚が荒れている、咳をした、鼻水がとまらない、おしっこは十分にしているか、うんちは大丈夫か、飲み方はこれでいいのか、食べ方は大丈夫なのか、体重は増えているか、発達のステップはちゃんと踏んでいるか……。
子育ては、小さな初めての判断の連続だ。

そのひとつひとつは自分にとって前例のない初仕事であり、すべては自分の目にかかっている真剣勝負。ひとりで必死に観察し情報を集めるけれど、判断ミスが生命維持にすらつながる可能性を思うと、それは大きなプレッシャーとなる。怖いし、重い。高緊張状態が続く。

普通に考えて、不安で当然なのだ。それを「母親なんだからできて当然」「幸せに思えないなんて失格かも」……と、どこか心の隅に巣食っている「母親としての責任」とか「明るく動じない母親イメージ」で抑え込んでがんばろうとしてしまいやすい。

そうやって「私だけ」の精神的な問題にして自分を追い込んでいるうちに、赤ちゃんのすべてが「自分のせいかも」と思えるようになり、行き詰まる。一定の方向からしか見えなくなってきて、嫌な自己循環に陥る。

そんなときこそ、びっくりするほど意外な方向から、自分に起きている出来事を眺めてみるって、すごく大切なことだと思うのだ。

この番組は、そんな新鮮な視点にあふれている。

■科学的な切り口が気持ちいい
番組では、誰もがぶつかりそうなストレス満点の問題について、次々に意外な方角からアプローチする。

・産後の孤独感、無力感
・夜寝ない赤ちゃん
・幼児のイヤイヤ期
・産後夫に攻撃的になった

といった現象を、チンパンジーと人間の進化の違いや、人間ならではの発達過程、脳の各部位の発達の実態、特定のホルモンの作用、等を通じてひとつひとつ説明付けていく。

とかく個人的で精神的な問題として片付けがちなことを、人間の体の中で物理的に起きているカラクリとして科学的に切り込んでいくのは、とても気持ちがいい。


その科学的な視点が、行き詰まった気持ちを「なぁんだ」と拍子抜けするように楽にしてくれる可能性は高い。どんなに「気にしすぎちゃいけない、あなたのせいじゃない」と精神的にフォローしても溶けなかった心が溶けるかもしれない。

なんというか、凝り固まった頭をガツンと殴られる……という感じでもなく、「ほう!」「へぇ〜」と思っているうちに、どこか柔らかくなっているような、そんな気づきにあふれているのだ。

■現実的なコメントがいいバランス
とはいえ、だ。単調で高緊張な育児の毎日が「へぇ〜!」の科学だけで解決するなら苦労はしない。不安の裏返しで単一の理屈にすがろうとするのも偏っていて健全じゃないだろう。

「でもこれ現代ではできないよなぁ」
「とはいえ実際には怒っちゃうかも……」
「だとしても本当に夫へのイライラがっ!」

そんな多くの母が感じそうな気持ちを代弁してくれるのが、スタジオの眞鍋かをりさんと、虻ちゃんこと虻川美穂子さん。どちらもご自身が、第一子0才育児の真っ只中で、だからこそ言える実感の伴ったコメントに救われる。ふたりの間で、恵俊彰さんが4児の父としての経験や反省のこもったコメントとともに柔らかくナビゲートしていく。


現実的な感想をもちつつも、「へぇ〜!」の中にいくつもの行き詰まり氷解ポイントがあるのは間違いない。「気持ちが軽くなった」「自分のせいだと思っていた……」というふたりの正直な感想が印象的だ。

■Nスペならではの突き詰め方もきっちりと
科学的アプローチを紹介しつつも、「だから気楽にいこうよ」と終わらないのがNスペらしい。

番組のキーワードのひとつ、人間の「共同養育」という環境形成が、原点回帰のような非現実的な文脈ではなく、現代の私たちの生活の中でどんな形を持ちえて、今のしんどさを救う可能性があるのか……というところまで提示しようとしているのが、社会に対して現実的で意欲的だ。

当事者であるお母さんはもちろん、お母さんの変化に戸惑っているかもしれないお父さんにこそ見てほしい。今、狭い自分たちの家の中で起きていることは何なのか、その現実を、人間という生物のスケールで科学エンターテイメントを通して見つめるチャンスだ。「妻のイライラ」のカラクリも見えるかもしれない。

NHKスペシャル『ママたちが非常事態!? 〜最新科学で迫るニッポンの子育て〜』
放送:2016年1月31日(日) 総合テレビ 午後9時00分〜9時49分
番組サイト
http://www.nhk.or.jp/special/mama/

狩野さやか
ウェブデザイナー、イラストレーター。企業や個人のサイト制作を幅広く手がける。子育てがきっかけで、子どもの発達や技能の獲得について強い興味を持ち、活動の場を広げつつある。2006年生まれの息子と夫の3人家族で東京に暮らす。リトミック研究センター認定指導者。

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