“いつめん”という言葉を、筆者は最近初めて知った。これは「いつものメンバー」の略だそうだ。
どうも海外暮らしが長いと、こういう言葉の変化についていけないということが起きる。
それはさておき、この“いつめん”をターゲットにした新サービスも登場しているらしい。どういうことかというと、やり取りの対象を“いつめん”だけに絞ったコミュニケーションサービスが現れたのだ。
今回はその新アプリを、実際に使ってみよう。
「内向的」な設計
今月iOSでリリースされたばかりの『Dear』は、言ってみれば「内輪のためのアプリ」である。
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FacebookやTwitterといった大手SNSは、そもそもが不特定多数の人々に発信するためのツールだ。それは自分の主張、発想、意見を容易に世間へ伝える手段にもなっているが、一方で「知らない人と関わりたくない」と考えるユーザーも多く存在する。
だからこそ、大衆への意見発信を目的としない、敢えて悪く言えば“内向的”なコンセプトのコミュニケーションアプリが登場する。
筆者はこの『Dear』を、早速iPadにダウンロードした。実際に使ってみると、そのシンプルなアプリ設計に驚かされる。
「これ、どこを操作すればいいんだろう?」という疑問を一切持たせないような作りになっていて、初期設定も非常に簡単だ。
レッドオーシャンながら今年の注目アプリ
『Dear』は、不特定多数に向けたメッセージの発信を行なうことはできない。必ずどこかのグループに属する必要がある。
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例えば「いつもの飲み会メンバー」という顔見知りのグループがあったら、まずそこのメンバーになる。そうして初めて、コミュニケーションツールとしての機能をフル活用できるのだ。こちらのつぶやきも、グループのメンバーしか閲覧できない。
変な人物が割り込んできて心ない非難や暴言を書かれる、ということを防止することもできる。
更に、「グループチャットなら、LINEで済むじゃないか!」と思う方もいるかもしれないが、そこで差別化されているのが、「誰が既読で既読じゃないのか」ということがわかるということ。誰に伝わっているのか、または伝わっていないのかが即座に理解できる。
この『Dear』は遊び仲間同士の連絡手段にも当然なり得るし、使いようによっては強力なビジネスツールとなるかもしれない。
既に強力なライバルが存在する市場ではあるが、『Dear』は間違いなく、2016年の注目アプリの一つである。
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【参考・画像】
※ Dear
※ Kichigin / Shutterstock
【動画】
※ いつめん専用アプリ Dear PV – YouTube