LINEで知り合い、女子高生を暴行し逮捕。ネットが未成年犯罪の温床になる理由とは?

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2016年02月16日 15:02  新刊JP

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個人攻撃を想起させるグループ名
東京・池袋の公園で少女3人が、トラブルになった女子高生に暴行を加えて怪我をさせたとして逮捕された。警視庁によると、逮捕された14歳から19歳の少女らは「池袋メンツ」というLINEグループ仲間で、そのうち1人が女子高校生と男性との交際を巡ったトラブルになっていた。3人は調べに対して容疑を認めているという。

 「LINEグループ」(通称:グルチャ)とは何か?
LINEには、「LINEグループ」という、複数人でトークを楽しむグループ作成機能がある。一度、「グループ」を作れば、そこに招待されたメンバーでの多人数トークが可能になる。

「グループ」によっては、インターネット上で加入の告知がなされているものもあり、完全匿名で、顔の知らない人ばかりのグループにも自由に出入りすることができるようになっている。中高生が参加するLINEグループには、1万人を超える規模の巨大グループも存在するという。


「LINEグループ」に潜むネット犯罪
 ここ数年、「LINE」がきっかけとなった事件は後を絶たないが、今回の事件も、交際トラブルという些細なものから集団リンチへと発展した。共通するのは、いずれの事件も、「LINE」を通して出会い、リアルでトラブルに発展しているということだ。これはいったいなぜなのか。

1.ネットの「ノリ」を壊すことを恐れ、冷静な判断ができない
 「ネット」と「リアル」の友だちを区別する人は多く、自分のキャラクターをネット上とリアルで使い分けている、という人も珍しくない。そのため、ネットで出会った人といざ会うことになったときに、ネットの「ノリ」を壊さないように、本来自分が思うことにそぐわない行動を取ってしまうことがあるのだ。

2.発言力の大きい人が雰囲気を作る
 集団のコミュニケーションは、発言力の大きい人が雰囲気を作り、周りがそれに追随する形で伝播されていくことがある。「LINEグループ」でも、影響力の大きい人の発言は、周囲を巻き込み、引くに引けない雰囲気を作る。中には、「xxを潰すグル(グループ)」など、個人攻撃を想起させるグループも存在するが、こうなると招待された人は、嫌でも抜けられない雰囲気になってくるのだ。

3.出会ったばかりで本音を話せない
 「LINEグループ」を通して知り合ったばかりの関係では、接点も少なく、まだ「探り合っている」段階だ。「これ以上はまずい」と感じることがあっても、本音でのコミュニケーションを取れる関係が構築されていないため、言い出すことができない。これもネットならではの問題と言えるだろう。


子ども未成年のネット犯罪から守るには?
 未成年の子どもがスマートフォンを持ちたがるのは、「LINE」や「Twitter」など、友人とのコミュニケーションツールとして利用したいという動機が強いだろう。それを完全に禁止しては、子どもからすると不満しか残らない。かといって、盗み見るのも気が引けるし、子どもだって気持ちよいものではないだろう。

 小学生の子どもにスマホを与えているというAさんは、「スマホを使っていいのはリビングのみ。自分の部屋に持ち込むのは禁止」など、親の目の届くところでのみ使って良いというルールを設けている。こうすることで、子どもが困っているときや、後ろめたい表情をしているときにはすぐに気づけるのだという。

 『ネット依存から子どもを救え』(光文社刊)は、保護者や学校関係者に、子どものインターネットの使い方やネット依存について解説している。前出のMさんのように独自のルールを設けるにしても、子どもとじっくり話し合った上で決めるのが良いだろう。その上でも本書は役に立つはずだ。
(新刊JP編集部)

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