不動産投資で勝てるのは、「節税」を組み合わせられる人だけ

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2016年02月23日 19:43  新刊JP

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『経営者の手取り収入を3倍にする不動産戦略』著者の沖さん
自分の給料は自分で決められる経営者だけに「今の報酬は適正なのか」と疑問に思うこともあるはず。

 ならば「もっと欲しい!」と願いつつも税金などの兼ね合いから控えているならば、一度「不動産」に目を向けてみるべきだ。
 
 今回は『経営者の手取り収入を3倍にする不動産戦略』(沖有人著、日経BP社刊)の著者で不動産投資のプロである沖有人氏に、経営者が「手取り収入を増やす」ために不動産をどう使えばいいかを聞いた。

――沖さんは本書の冒頭で「これまで多くの経営者は不動産のことはなおざりにしてきた人が多いように思う」と書かれています。まずは、このお話から聞かせていただけますか。

沖: 我々は経営者の方を相手に仕事をすることが多いので、実感としてそう思います。ここで言っている「なおざり」とは、「持っている不動産を残す/残さない」という判断を避けることを指しますが、特に、「先代から譲り受けたもの」をどう処理するのかについて、意思決定できない経営者は多いと感じています。
意思決定を渋る経営者の気持ちも分からないわけではありません。「人からもらったものを処分する」のは気が退けるものですから。
ただ今後、大部分の土地の価格は下がっていくことが予想されます。そういったなか、「創業者が大切に守っていたから」という理由だけで土地を「なんとなく大事に」持っていてもリスクは増すばかりです。
そこで経営者の方が意思決定できるよう、判断材料を提供したいという思いから本書を執筆しました。

――意思決定した上で「残す」という決断をする分には構わないということですか。

沖:そうです。私はこの本のなかで「3つの質問」(何のために持っているのか、今すぐ活用できるのか、収支はどうなのか)という書き方をしていますが、経営者が「この資産は、自分たちにとって本当に必要なものなのか」を自問自答した結果、「どうしても残したい」と思うのであれば、それは止めません。
資産を残すのであれば「残す」という決断をすべきなのです。たとえば「創業の地は残し、そこに創業者の銅像を建てる」といった具合に。

――意思決定しないことが問題なのですね。

沖:おっしゃるとおりで、経営者として一番いただけないのは「行動しないこと」なのです。そして、なぜ行動しないことが悪なのかといえば、土地を「持っているだけ」だと結果的に失うものがあまりにも多いからです。
先ほども少し触れたように、土地の価格は下がり続けているのが現状で、今のところ地価は、全国平均で毎年1.7%ずつ下がっています。さらには固定資産税が1.4%、都市計画税があれば最大0.3%乗っかってくる。つまり、「持っているだけ」でも、毎年計3%ぐらいずつキャッシュを失っていくわけです。
したがって、もしキャッシュを垂れ流しにしてしまっているのであれば、どこかで歯止めをかけるためにも「決断」が必要になるのです。

――今のような話をして、経営者の方はすんなり理解してくれるものですか。

沖:理解してくれます。経営者の日常は決断の連続ですから、こちらがロジカルに説明すれば、「分かりました。いついつまでに●●の対策をやっておきます」と決断してくださるケースがほとんどですね。
ではなぜ不動産の処理を先送りしてしまう経営者がいらっしゃるのかといえば、それは単に不動産というものに対して不慣れで、判断するための材料が不足しているためです。
その意味で、我々が不得手としている相手は地主さんです。先祖伝来の土地を守ってきた方々は、あくまでも一般論ですが、ロジカルというよりはエモーショナルに物事をとらえる方が多いため、このような話をしても、「うーん、考えておきます」と言って、結局何も行動しないという傾向が強い。したがって我々は地主さんとお仕事させていただくことはあまりないですね。

――ということは、沖さんの会社のクライアントになる人というのは、ある程度限られた層なのですか。

沖:ある程度は限られてきます。なぜなら不動産というものの特性上、勝てる人は限られているからです。そこで我々は、相談に来られた方に対して「この世界では、“選ばれし民”しか儲かりませんよ」とはっきりお伝えします。

――「選ばれし民」とは、具体的にどのような人々を指すのでしょう。

沖:まずは、土地などを含め「すでに資産をたくさん持っている人」です。こういう方に関しては、相続税や贈与税の対策をおこない、払う税を減らすためのお手伝いをします。もうひとつのケースは「高年収の人」。具体的には年収3000万円以上の人で、経営者の方が多く当てはまります。こういう方に対しては所得税対策をおこない、手取りを増やすためのお手伝いをしています。そして本書はまさに、この後者のケースを念頭に置きながら執筆しました。

(後編に続く)

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