「人事・総務」「営業・マーケティング」で増える活躍の場
女性が企業などで十分に能力を発揮し、活躍できる環境を整備することを目的とした「女性活躍推進法」が2015年8月28日に成立。今年4月1日から施行されます。これを受けて、日本生産性本部は4,516社を対象に女性社員育成への取り組み状況を調査。587社から得た回答を発表しました。
女性社員の活躍のための取り組みをしている企業の多くは、その効果があったとしていますが、「女性活躍推進法」への対応については、72.1%が「課題がある」と回答。「目標設定の仕方(76.1%)」「取組内容の作り方(69.3%)」などを課題と感じているようです。
女性社員の活躍推進を明文化している企業は23.0%でしたが、検討している企業とあわせると69.2%が前向きです。「課長ないし課長相当職以上」の女性が3年前より増加した企業は40.3%で、「営業・マーケティング」「人事・総務」で活躍の場が増えているようです。
「責任の重い仕事・リスクのある仕事」を与える企業が3割超
調査では、女性社員の活躍を推進する上での課題も尋ねています。「女性社員の意識」が81.6%と最多で、「家庭的負担に配慮が必要」が59.1%でした。一方で管理職や男性社員の関心が薄いという回答も5割前後で、企業風土にも課題があることが浮き彫りになりました。
では、女性社員の意識を高めるために企業はどんな取り組みをしているのでしょうか。「チャレンジブルな仕事の機会」や「仕事の幅を広げる異動や転勤の機会」を与える企業が4割を超え、「責任の重い仕事・リスクのある仕事」を与えている企業が3割を超えました。
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女性社員に高めてほしい能力では「リーダーシップ力」と「目標を設定し実現する行動力・変革力」がともに5割を超え、管理職を担う人材となることが期待されていることもわかりました。女性がより活躍するために、周囲の理解、企業や社会全体の意識変革が求められています。そして、女性自身の意識も大切と言えるでしょう。(林 渉和子)
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