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減税と併用で景気回復? 中国人漫画家が提唱する「マイナス金利」活用法

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2016年02月28日 12:00  デイリーニュースオンライン

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デイリーニュースオンライン

写真マイナス金利が失敗だと断定するのは早計!? (C)孫向文/大洋図書
マイナス金利が失敗だと断定するのは早計!? (C)孫向文/大洋図書

 こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。2016年2月16日、日本銀行は史上初めて「マイナス金利」政策を打ち出しました。

■マイナス金利が日本経済を活性化するきっかけに

 日銀が金融機関から預かった資産を減額させることに伴い、金融機関が市場に金を流通させ、その結果経済を活性化させるというのが当初の目論見でしたが、マイナス金利導入日の翌日には株価が下落し円高が進行するなど、今の所めぼしい結果は出ていません。

 この結果を受け、民主党をはじめとする各野党、一部マスコミ、左派的な思考を持つ層は、「アベノミクスの終焉」などと今回の金融政策を批判しましたが、円高、株価下落の主な要因は中国経済の失速やドイツ銀行の経営難による欧州の経済不安など外国発のもので、マイナス金利策が失敗だと断定するのは早計です。僕自身はマイナス金利を上手く活用すれば、日本経済を活性化させるきっかけになると考えています。

 バブル崩壊以降、日本経済が約四半世紀にわたって低迷したのは、資産が流動しないことが大きな要因でしたが、マイナス金利が導入されたことにより、金融機関は半ば強制的に資産を市場に投入することになるでしょう。その結果「貸し渋り」などといった事態は解消されることになり、人々が新事業を開始するための資本金を手に入れやすくなるのです。

 加えてマイナス金利に伴い、金融機関から借り入れる資産の利子や住宅ローンも低下するため、法人側の投資や住宅の購買が活発化する可能性が高いのです。その結果企業の業績や若年層の入籍率が向上し、日本の少子化問題の解消につながるかもしれません。

 僕自身の意見を述べると、住宅ローンに関しては現在デンマークなど一部の北欧諸国が実践している「プラスローン」を採用するのも一つの手だと思います。これは住宅を購入する際、ローンを組むと利息が購入者に支払われるというもので、現在のデンマークでは住宅需要が激増しているようです。この仕組みとマイナス金利による資産流動が重なれば、不動産市場は一気に活性化するでしょう。

 さらに話を飛躍させると、今後消費税率を当初の3%に戻すことがベストだと思います。2014年3月に消費税が8%に上昇したことによりGDP(国内総生産)が低下したように、消費税率は人々の購買意欲を大きく刺激します。企業側がマイナス金利策により発生した資産を使用し、事業を活発化させると同時に減税を行えば、心理的に「お得感」を感じることにより、一般層は購買意欲を向上させ、結果日本の経済状態は相乗効果により劇的に良化すると思います。

 現在の日本経済を川に例えると、「資産」という水の流れが滞っている状態です。中国には「針無両頭利」(一つの縫い針で両側を縫おうとすると、必ず自分の指を刺してしまう)ということわざがあります。これは「一つの問題を解決しようとすると他の問題が生じる」という意味です。今後、市場に資産が急激に投入されることにより、物価や不動産が際限なく上昇する、いわゆる「バブル状態」が再来することが懸念されますが、嵐が発生すれば川の流れは一気に激しくなるように、日本経済を活性化するためには急激な構造の変化が必要だと思います。

「富裕者優遇」、「所得格差の肯定」などと野党側が批判する安倍政権の金融政策ですが、もともとマイナス金利はデンマーク、スウェーデンなど北欧の「社会福祉国家」が実施した政策です。安倍政権がマイナス金利を決定したのは国家全体の繁栄を目的としたためであり、「アベノミクス」が一部の富裕層のみに向けられたものではないことの実証だと思います。

 対して各野党は、マイナス金利ですら失敗政策と決めつけ与党側を激しく批判します。本来は彼らが理想に掲げている社会福祉国家型の政策すら否定する野党議員たちの姿を見て、僕は大きな矛盾を感じると同時に、「彼らは本当に日本の国益のために活動しているのか?」と疑問に思ったのです。

 中国やアメリカをはじめ、一部の層が富を独占しつつある国家は世界中に存在します。その中で社会福祉国家的な金融政策を打ち出した日本は、極めて民主的な国家だと改めて実感しました。マイナス金利が起爆剤となり日本経済が再び活性化することを期待します。

著者プロフィール

漫画家

孫向文

中華人民共和国浙江省杭州出身、漢族の31歳。20代半ばで中国の漫画賞を受賞し、プロ漫画家に。その傍ら、独学で日本語を学び、日本の某漫画誌の新人賞も受賞する。近著に『中国のもっとヤバい正体』(大洋図書)

(構成/亀谷哲弘)

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