長下肢装具が歩行支援ロボットに変わる「ウェアラブル型」の歩行支援機器
画像はリリースより脳卒中の後遺症や脊髄の損傷などにより、歩行に何らかの障害を抱える人々のリハビリテーションを支援するロボットは、これまで数多く開発されています。しかし、機器が大型のため使用する患者や医療従事者の負担が大きく、現段階ではそれほど普及していないのが現状です。
リハビリ現場のニーズに応じた実用的なロボットの開発が求められている中、京都大学とサンコール株式会社は、センシング機構とモーターが一体となった、軽量なモジュールを取り付けるだけで、一般的に使われている「長下肢装具」が歩行支援ロボットに変わる「ウェアラブル型」の歩行支援機器を開発しました。
長下肢装具とは、リハビリ初期でまだ自力歩行ができない段階で、太ももから足全体を支える補装具。この歩行支援機器は、モーターとセンサーを内蔵したアタッチメントを長下肢装具に取り付けることで、適切な歩行運動の再現を支援するといいます。
装着者の歩行状態を自動判別、適切な歩行の学習を促す
アタッチメントは軽量で左右どちらにも装着でき、取り付けるだけで普通の長下肢装具が「歩行支援ロボット」になります。歩行運動の原則と脳卒中の後遺症である片麻痺患者の歩行の特徴を踏まえ、装着者の歩行状態を自動判別して適切な歩行の学習を促します。
また、単に歩行だけではなく、階段の上り下りなど日常的な運動を支援するプログラムの開発も目指し、運動支援のために必要な他のモジュールも開発が進められるとのこと。リハビリに取り組んでいる人たちにとって、さらに有用性の高い機器として、さらなる改良を重ねるそうです。
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リハビリテーションロボットは「人とロボットの共同作業」の象徴。今後、研究が進めば歩行障害を克服する装着型ロボット技術の確立にも寄与すると期待されています。なお、同機器に関しては、病院や施設を対象に安全性や有効性の検証が平成28年度から開始されます。(林 渉和子)
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