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アニメやマンガなど、日本国内の文化や商材を国内外に発信していく、国が進める戦略の呼称・クールジャパン。2月29日、ニュースサイト「BUZZAP(バザップ)!」が、クールジャパンに関する記事をアップした。その内容に世間からは、やはり「もう国が関わるのやめてくれよ」といった声が上がっているようだ。
29日の記事で「BUZZAP!」が「嫌な予感しかしない」と問題視しているのは、“クールジャパン特区”と呼ばれる取り組み。政府は、国内でデザインやアニメーションなどの分野で働く外国人の就労基準を緩和し、日本の文化に親しむ外国人・訪日外国人の増加、商品の輸出などを見込んでいるという。
「BUZZAP!」は、低賃金で働く若手が多いアニメ製作の現場に、外国人労働者が入った場合、「SNSなどでクールジャパンのブラックぶりが、世界中に知れ渡ってしまうのではないか」と危惧している。記事では「『好きなことを仕事にしているんだから少しくらいの苦労は我慢しろ』といった『やりがい搾取』が、外国人にも通用すると企業側が考えているのであれば、国をも巻き込んで大きな批判を浴びることは間違いありません」と警告している。
この記事に対し、世間からは「『好きなことやらしてるから賃金も安くていいだろ』ってのはかわいそう」「ブラックジャパンに名称変えたら?」「これ韓国人アニメーターのための政策でしょ?」「先進国の国籍を持つ外国人に限定しろ」「国がアニメーターに毎月5万支給するのと、公団住宅優先入居させるだけでかなり状況良くなるよ」など、“クールジャパン特区”に否定的な声が多く上がった。
ただでさえ、薄給・長時間労働が度々取りざたされているアニメ製作の現場。アニメーターへの報酬が低いのは、安価な海外スタジオへの発注の影響もあると思われるのに、さらに国内にも海外からの人材を投入すれば、さらなる薄給・長時間労働を招いてしまいかねない。国内のアニメーターの待遇改善、人材育成のためにも、海外からの投資の誘導やアニメ・マンガの輸出などをさきに検討するべき、という気がするが……。
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加えて、「頼むから政府や役人は、サブカルチャーに首突っ込まないでくれ」「国が絡むとろくなことがない」と、そもそも“クールジャパン”自体に対しても、オタクたちからの批判の声は多いようだ。国は13年、クールジャパン推進会議設置に伴い、民間議員としてAKB48グループの総合プロデューサーで知られる秋元康氏を起用した。
しかし、秋元氏は会議で「日本中の優秀なクリエーターにひと肌脱いでもらうべき」と、無報酬での協力を求めるよう提案し、「無報酬とかバカじゃないの?」「お前らが無報酬で議論しろ」「なめてるにもほどがある」など、世間から批判の声が噴出。当然ながら、「こいつにするな」「ほかにいくらでもいるだろ」と、議員の選出についての疑問の声も多かった。
“クールジャパン”も、実は世界各地でイベントをやったり、会議をやったりしているようだが、国内のアニメ・マンガ好きにはイマイチ認知されきっておらず、「何か成果あったの?」と恩恵を感じることも少ない。秋元氏の起用も含め、今後どう転がっていくのか、心配の種は尽きないようだ。
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