研究者のひとり、ロンドン大学―ザ・インスティテュート・オブ・キャンサー・リサーチ(Institute of Cancer Research in London)のジュディス・ブリス教授は、英『BBC』の取材に「短期間でここまでドラマチックな効果を得られるとは実に驚き、予想外でした。辛い化学療法を受ける必要のない患者すらいることがわかったのですから。ただしHER2は再発や転移のリスクが高く、それを防ぐに至るまでには膨大な研究が必要となります」と語っている。
英米の多数のメディアが今、『European Breast Cancer Conference(ヨーロッパ乳がん会議)』で発表されたその論文を各国の医師、研究者らが積極的に紐解き、やがて臨床の現場で活かされるよう強く期待したいと報じている。日本の医師、研究者、薬剤メーカーらもこのたびの発表には大きな注目を払っているに違いない。