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乾癬とメタボ。脳心血管イベントにつながる負の連鎖「乾癬マーチ」とは

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2016年03月14日 18:00  QLife(キューライフ)

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18歳以降の急激な体重増、乾癬の発症率高く

帝京大学医学部皮膚科准教授 多田弥生先生

 自己免疫の障害によって発症する慢性の皮膚疾患「乾癬」(かんせん)。皮膚の表面が赤く盛り上がる、乾燥した角質が“ふけ”のようにはがれ落ちる、爪の変形や関節症状などの症状は、患者さんのQOL(生活の質)を大きく低下させる疾患として知られています。皮膚疾患である乾癬とメタボリックシンドローム(メタボ)。一見、無関係にみえるこの2つの疾患が、深き関係をもつことがわかってきました。

 「乾癬の患者さんでは、太った人が多いことが知られていました」。そう語るのは、帝京大学医学部皮膚科准教授の多田弥生先生。日本イーライリリー株式会社が開催したプレス勉強会「気をつけたい乾癬の併存疾患とその臨床」で講演した多田先生は「乾癬では、メタボや高尿酸血症、心血管障害、関節炎、ぶどう膜炎などを併存することがあります」と紹介。中でもメタボと乾癬の関係は、ここ数年で新たな発見が報告されているそうです。

 「18歳以降に体重が増えると乾癬やそれに伴う関節炎を発症しやすく、肥満だと乾癬に対する治療が効きにくいということは最近の研究でわかってきました」と多田先生。米国で女性を対象に行われた研究では、18歳以降に15.5坩幣綢世辰燭箸い人では、乾癬の発症率が優位に高かったといいます。ただし、「18歳の時点で太っていたかどうかは、発症リスクと関係ありませんでした」(多田先生)とのことで、およそ成人後にどれだけ太ったかが、乾癬の発症と関係しているようです。

『乾癬マーチ』が心筋梗塞のリスクを増大させる

 では、どのような理由で乾癬とメタボは関係しているのでしょうか。現在、2つの説が有力視されています。ひとつは『遺伝子でつながっている』という説です。肥満になりやすい遺伝子と乾癬になりやすい遺伝子は、近い位置に存在しており、親から子へと引き継がれやすい、というもの。

 そしてもうひとつが『炎症でつながっている』という説。「太ると脂肪細胞の質が変わり、脂肪細胞が出すたんぱく質も変化します。その結果、メタボの主役といわれる『インスリン抵抗性』が高まります」(多田先生)。この脂肪細胞が分泌するたんぱく質によって皮膚が乾癬を悪化。その皮膚から出るたんぱく質が脂肪細胞に作用し、さらに脂肪細胞の質を変え、これがメタボにつながるというものです。

 メタボの人では、心筋梗塞や脳卒中などの脳心血管イベントが起こりやすいことはよく知られていますが、乾癬患者さんでも、脳心血管イベントのリスクが高いことも分かっています。「重症の乾癬患者さんのほうが心筋梗塞を発症しやすいという研究結果も発表されています。また、60歳以下の心筋梗塞になりにくい年齢でも乾癬があるとリスクが高まるという報告も寄せられています」と多田先生は語ります。

 このような乾癬とメタボ、そして脳心血管イベント…。この負の連鎖は『乾癬マーチ』と呼ばれるそう。「昔、乾癬は皮膚だけの病気と言われていましたが、実は全身の炎症につながっていて、肥満はその炎症をさらに促進。それらの炎症が相まってインスリン抵抗性を引き起こして心筋梗塞に至る、というものです」(多田先生)

 肥満は乾癬を重症化させ、QOLを損なうだけでなく、命にかかわる疾患のリスクを高めることは言うまでもありません。健康診断でメタボ認定を受けた方、まだどんな症状も表れていないからと先延ばしはせずに、今日から生活習慣を改めてみてはいかがでしょうか。(QLife編集部)

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