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子どもが媒介する大人のコミュニケーション ――「つなぐ」というより「挟まれて」いないか?

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2016年03月17日 12:32  MAMApicks

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病院の待合室で、赤ちゃん連れのお母さんに話しかけているおばさんがいる。
ちょうど孫がいるくらいの年の頃。

「母乳?」
「はい」
「あらいいわねぇやっぱり母乳は……そろそろ離乳食かしら?」
「そうですね」

感じのいいおばさんで、ただおしゃべり好きのご様子。微妙な母乳の話題に触れてしまうあたりも単に無邪気なだけで、決して嫌な感じはしない。あまりお母さんの負担になることを言ってはいけない、と気をつけている風もある。

一方、赤ちゃん連れのお母さんの方は、決して迷惑そうとかではないのだけれど、どうやら、初対面のおしゃべりは苦手で言葉少ないタイプらしい。

■赤ちゃんを媒介にしたコミュニケーション【微笑ましい系】
そのうち、おばさんは赤ちゃんに話しかけ始めた。

「あらいいわねぇ、いっぱい食べなきゃだわねぇ」
「本当にかわいい時ねぇ」

お母さんはそれを受け、おばさんに直接ではなく赤ちゃんに語りかける。

「そうだねぇ」
「よかったねぇ」

あぁ、なんか大人ふたりで話しているようでいて、すべて赤ちゃんが媒介している……。
会話のボールを赤ちゃんに投げ、そのボールを赤ちゃんを通して受けて、また赤ちゃん経由で返す……微妙なコミュニケーション不全。とはいえ、この場合、決して嫌な気はせず、ただ微笑ましい。大人同士が「でしゅねぇ」で会話しているように見える「ふんわり飽和」状態だ。


あれ、でも、このダイレクトコミュニケーションじゃない感じ、なんか身に覚えがある、えぇと、しかも、こういうふわっとしたやつではない。ものすごくイヤーなダメパターンの方で……。

■子どもをクッションにしたコミュニケーション【険悪系】
それは例えば、夫と息子と3人で食卓を囲んでいる時。会話の中で夫の記憶違いや予定忘れなどが判明すると、「もう、何度も言ったのにねぇ」と、ダイレクトでなく、なぜか隣の息子に同意を求める私……このパターンだ。

子どもをクッションに間接伝達しているようでいて、ただの嫌味にしかなっていない。やるなぁ、やってるなぁ。

もっと小さければ、赤ちゃんを膝に抱きながら「お父さんは◯◯だねぇ〜」と語りかける、そういう感じだろう。たいてい◯◯にはネガティブな表現が入る。「だっこが乱暴だね〜」等の評価系もあれば「もっと遊んでほしいよね〜」とかの要求系。そういうクッション風攻撃、あぁ、すごくありそうだ。

これ、夫が我慢して聞き流してうやむやに済むか、怒って大げんかに発展するか、どちらかだろう。クッションにされ、かつ不穏な空気に巻き込まれる子どもにしてみれば、迷惑な話だ。

さらにもっとイヤなパターンもある。

■子どもを注意しながら実は……怒りの上乗せ!
例えば、息子のささいな「やめてほしいポイント」が、常々夫に「やめてほしい」と感じているポイントとオーバーラップした時。これは要注意。

息子に注意しながら、心は同時進行で夫に向けても言っていたりする。その場に夫がいれば、「むしろあなたの方に怒っているのだ」とばかりに、あえて息子に対し不寛容にきつく注意してしまったり……。

そういう曲がった意思表示をしたところで、夫に伝わるのは「不機嫌で感情的な母親像」だけだし、子どもにしてみれば増幅した怒りにさらされ、とんだ災難だ。

親としてはいかにもダメパターンだけれど、残念ながら、やったこと、あるなぁ。

■子のマイナスクッション化をどう避ける?
こういうマイナス方面のクッション化とか怒りの上乗せって、結局誰にとってもメリットがなく、家の中の空気がよどむばかり。なのに、けっこう陥りやすい。常態化しないうちに、回避できた方がいい。

でも、そもそも直接言って喧嘩になるのが面倒、かといって、だまっているのもくやしいっていうのが本音。感情的なイライラには、正攻法の「話し合い」が、不毛で逆効果なのもお互い感じていたりもする。

何か別のことでストレスを発散しようとしても、「直接ぶつけたい気分」は解消されにくい。なかなかいい手段て、ないものだ。

■過去一番効果的だったこと
たまたま、とても効果的ですっきりしたことがあった。

息子と夫の恒例の「戦いごっこ」で、息子の側にヒーローを助ける役として参戦を求められた時。最高に本気の力で怪獣役の夫に攻撃を加えてみたら、これがなかなか爽快なのである。とはいえその場合、プチプチを丸めた武器とか、大人のルールを守って、かつ自分の出力パワー100%でいける手段がベスト。息子が「◯◯光線!」とか言っている横で、心の中の決め台詞を具体的要望事項、もしくは、大変感情的なものにしてみるとさらに効果的。

これも子どもに乗っかったコミュニケーションだけれど、これなら遊んでいるだけなので息子は100%楽しいし、私もどさくさに紛れて面白がっているだけで深刻に怒りをぶつけているわけじゃない。「明るく無礼講」なシーンて、意外と楽しくすっきりできてしまう効果があるようで、結構悪くない。

同じ家にいる限り、子どもは大人同士のコミュニケーションに挟まれる。子どもに聞こえないところで夫婦喧嘩したところで、どうせ空気は伝わるし隠せるものでもない。常に挟まれ巻き込まれているものだ。

我慢したって空気は好転しないので、家族で「明るい無礼講」、意外と使えるかもしれない。

でも、「家族でアウトドアのアクティビティで発散しよう!」というイベントごとになると、明らかに別のストレスの種にもなりかねない。くだらなくて突発的で無礼講でないと、たぶん機能しない。

まくら投げとかも、いけるかな?部屋が狭いけど……。

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コラム筆者の狩野さやかです。2016年3月23日(水)「IDOBATA!?実りある雑談をしよう」を開催します。テーマは「育児期夫婦のズレ/再び」。ぜひご参加ください!
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狩野さやか
ウェブデザイナー、イラストレーター。企業や個人のサイト制作を幅広く手がける。子育てがきっかけで、子どもの発達や技能の獲得について強い興味を持ち、活動の場を広げつつある。2006年生まれの息子と夫の3人家族で東京に暮らす。リトミック研究センター認定指導者。

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