スウェーデンのカーメーカー、ボルボが発表した、7人乗りSUVの新型『XC90』は、かなりすごい。
なにせ、各種センサー類の搭載によるインテリジェントな安全技術や新しい車両プラットフォームを搭載。加えて、ラインナップにPHEV(プラグインハイブリッド)まで追加されたからだ。
1兆3000億円を投資した最初のモデル
新型『XC90』の主な特徴は以下の通り。
■1:新世代プラットフォームSPA初採用 ■2:世界初の安全技術『ランオフロード・プロテクション』『インターセクション・サポート』搭載 ■3:7シーターSUVでは世界初のPHEVもラインナップ
1の“SPA”とは、「スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー」の略。ボルボがスウェーデン史上最大級の110億ドル(1兆3,000億円)を投資した一連の構造改革の核となる新プラットフォームだ。
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車両プラットフォームの改革は、トヨタがTNGA(トヨタ・ニューグローバル・アーキテクチャー)を新型プリウスから採用するなどで、最近注目されているもの。
ボルボのSPAでは、安全性の劇的な向上はもちろん、電動化や自動運転も見据えたもので、『XC90』に初採用。今後、新たに販売される新型車に順次採用される。
『XC90』では、先代『XC90』と比べ、120kgの軽量化なども実現。サスペンションには、フロントにダブルウイッシュボーン、リヤには複合樹脂素材製のリーフスプリングを採用。5つのドライブモードを選択できるエアサスペンションもオプション設定している。
道路から逸脱した時に衝撃を吸収
最先端技術を投入した、安全技術も注目だ。
まずは、『ランオフロード・プロテクション(道路逸脱事故時保護システム)』。
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車両のASDM(アクティブ・セーフティ・ドメインマスター)-ミリ波レーダー/高解像度カメラ一体型センサーユニットが、事故や衝突などで、道路から逸脱したことを検知。
すると、即座にシートベルトが巻き上げられ、シートとシートフレーム間にあるメタル製クッションが乗員にかかる衝撃を吸収するというものだ。
これにより、乗っている人の身体ダメージ、特に脊髄損傷などを防ぐことができる。
また、『インターセクション・サポート(右折時対向車検知機能)』も搭載。
これは、交差点の右折時に直進してくる対向車との距離や速度を、センサー類が検知。そのまま右折すると衝突する恐れがあると判断した場合、オートブレーキが作動して衝突の回避・軽減を行うシステムだ。
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他にも、
・夜間でも対応可能な歩行者・サイクリスト検知機能付きフルオートブレーキ ・50km/h以下でのステアリングアシストを実現したパイロットアシスト(追従時車線維持機能)
などを搭載。電子制御による様々な安全装置が注目だ。
PHEVは電動モーターのみで35.4km走れる
今回の新型には、PHEVもラインナップ。
パワーユニットは『T8 Twin Engine AWD Inscription』という名称で、Drive-E2.0L・4気筒スーパーチャージャー付き直噴ターボエンジンを搭載。電動モーターとの組み合わせで、システムトータルで407psの最大出力、15.3km/Lの燃費性能を実現する。
また、電動モーターのみで35.4km移動できるゼロエミッション走行も可能だ。
PHEV以外のモデルも、エンジンは排気量2Lの4気筒ターボエンジンを採用。スーパーチャージャー付きとなしのモデルがある。
価格は7,740,000円〜10,090,000円(税込)。日本では、ボルボ・カー・ジャパンで販売されている。
国内外において次世代環境車PHEVは着実に浸透しつつある。
【参考・画像】