半数以上の女性が「月経痛」「閉経」などについて十分な知識を持っていない
対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座院長 対馬ルリ子先生2016年4月より女性の活躍推進法が施行され、今後ますます女性のキャリアプランが重要視されてきています。そのためには、女性特有の疾患やヘルスケアについて知り、適切に対処することが非常に重要です。バイエル薬品株式会社は一般女性を対象に実施した、婦人科疾患・ヘルスケアに関する認知実態調査の結果を発表。「月経痛」「妊孕性(妊娠する能力)」「閉経」などに対し、半数以上の人が十分な知識を持っていないことがわかりました。
これを受けて開催されたプレスセミナーで、対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座院長の対馬ルリ子先生は、「女性は月経周期に合わせた2つの女性ホルモンの変動で、心身の不調を招きやすく、そのしくみを知らないため、月経トラブルや更年期への対処ができない人が多くいます」と語ります。
全身倦怠感やイライラ、気分の落ち込み、頭痛といった月経前の体調不良(月経前症候群:PMS)は月経痛と合併することが多く、この月経随伴症状は7〜8割の女性にあるとのこと。また、重い月経痛を放っておくと、子宮内膜症を生じやすく、不妊症や卵巣がんの原因にもなってしまいます。
対馬先生は「月経随伴症状による日本の年間労働損失は4911億円。通院・OTC費用など含めた経済的負担は、総計6828億円にも上ります」と説明、こういった状態を放っておくことは、女性に自信を失わせてしまい、国にとっても大きな損失だと警鐘を鳴らします。
生涯を通じた女性の健康支援が、女性の活躍推進に
対馬先生は、若いうちから健康を守るヘルスケアスキルが必要だといいます。そして、症状がなくても、定期的に子宮頸がん検診、超音波検診を受けることの重要性とともに、女性にはヘルスケアの専門家として、女性に寄り添い、長期的にアドバイスをし、見守り、支援してくれる、かかりつけ医が必要だと訴えます。それによって、「早く異常を発見し、大きな健康トラブルを予防し、女性の人生を自己実現させることにつながります」(対馬先生)
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そして、「一人ひとりの女性が自信をもって、ベストパフォーマンスを発揮するために、女性のみならず、広く一般社会に女性特有の疾患やヘルスケアに関する理解が深まることを願っています」と締めくくりました。(QLife編集部)
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