要介護の原因1位である「ロコモティブシンドローム」
神奈川県大磯町は2015年7月より、定期健康診断(集団健診)を利用して、参加者の運動機能評価を通じてロコモティブシンドローム(ロコモ)を診る「ロコミル」という取り組みをスタートさせています。これは、要介護の原因1位である「運動器の障害」について評価を行う試みです。
そして、大磯町と東海大学、アルケア株式会社は、集団健診を受けた513人(男性:210名、女性:303名、平均年齢:66.5±7.7歳)の結果をまとめました。それによると、「メタボ」の名で知られるメタボリックシンドロームと診断されたのは20.9%(107人)だったのに対し、ロコモの該当者はそれを上回る58.7%(301人)で、約6割にも達しました。
また、メタボに該当すると診断された人たちのうち、72.0%がロコモにも該当。メタボとロコモには、関連性があると考えられるという結果になりました。さらに、ロコモに該当しなかった212人のうち、メタボと診断されたのは14.2%(30人)でしたが、ロコモに該当した301人のうちメタボと診断されたのは25.6%(77人)。4分の1がメタボと重複し、やはり関連性が推測される結果となったのです。
共通の改善策は「理解」して「運動」すること
今回、メタボ該当者の約7割がロコモにも該当していたことから、メタボ対策としての運動をより安全に行うためには、ロコモ健診で個人の運動器の障害についても把握することが重要と考えられます。個人の状態に応じて、適切な運動処方を行うことが、メタボ対策にもロコモ対策にも大切なのです。
そこで、大磯町の「おおいそアンチロコモ教室」では、ロコモリスクが高い人を対象に、まずは、適切な運動方法の指導と健康情報の提供を行っています。自分の運動器の状態を客観的に把握し、正しい情報に基づいた運動を続けるため、今後このような活動が全国の自治体に広がることが期待されます。(林 渉和子)
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