故人や遺族を二の次にする「ブラック葬儀屋」に要注意! 今こそ知るべき葬儀業界の実態

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2016年04月01日 20:42  新刊JP

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『ブラック葬儀屋』(幻冬舎刊)
お葬式の段取りや金額の相場、形式などを知る機会はあまり少ない。その当事者にならないと実態は見えてこないし、誰かにすすんで聞きたいことでもない。しかし、いざその時になり、葬儀社にすべて任せきりにしてしまうと、後で嫌な思いをする可能性がある。

なぜなら葬儀に疎い遺族を狙った「ブラック葬儀屋」という業者がいるからだ。

『ブラック葬儀屋』(尾出安久著、幻冬舎刊)は、1000件以上の葬儀を担当してきた現役葬祭マンの尾出安久氏が、実際に見聞きした悪徳葬儀関係者の手口を紹介。さらに、他人に聞けないお金やしきたり、葬儀手順の基本なども具体的に解説している。

■葬儀業界はサービス業、営業先は病院や老人施設

認識されにくいが、葬儀業界はサービス業だ。営業先は病院や老人施設などで、病院で同業者との葬儀の受注合戦をくりひろげることになる。ベッド数の多い大病院では霊安室の管理を葬儀社に任せることも多くあり、公営の病院などでは、それを請け負う葬儀社を入札で決めることがあるそうだ。

大病院では故人を霊安室に移したあとからが、葬儀社の仕事になる。遺体の移動は病院関係者ではなく葬儀社の人間が行う。遺族は言われるがまま霊安室まで遺体に同行するので、担当の葬儀社にとって、ここが受注をする最初のチャンスとなる。

■ブラック葬儀屋に引っかからないようにするためには

ブラック葬儀屋。それは、お客様のことよりも自分たちの利益を最優先し、サービス業という自覚に欠けた存在だ。入札のない病院を半ば出張所のように使っている葬儀社のスタッフに、教育の行き届いた一流のサービスマンのような人がいることは少ない。一方、大病院に入札で入れるような葬儀社には、組織として動き、教育された礼儀正しいスタッフがそろっている多い、というのが尾出氏の経験からの感想だという。

病院から紹介されるままにお葬式をお願いしたとしても、結果として満足するお葬式ができることもある。それは、良い葬儀社だったということだ。しかし、その逆も、もちろんありえる。葬儀社の当たり外れで決まってしまうのではなく、自分たちの目利きでいい式ができるよう、葬式の知識を身につける必要があるのだ。

日本は超高齢社会である。最近では葬儀のあり方について議論がなされ、新しい葬儀の形も出てきた。でも、それを差し引いても本書に書かれている知識や情報は、たくさんの人が必要となるだろう。「葬式とは一体何か」――そんな問いをつきつけられる一冊である。

(新刊JP編集部)

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