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泡の上で発電だと!? 驚異の「超軽量薄型太陽光パネル」がIoTの未来を変えるか

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2016年04月14日 12:10  FUTURUS

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FUTURUS(フトゥールス)

軽いことが非常に重要な場合もある。

超軽量、超薄型の太陽光パネルなら、さまざまな場所に装着、搭載できるようになるからだ。

MIT(マサチューセッツ工科大学)の研究チームが、“史上最も薄く軽量な太陽光パネル”を発表した。実用化にはまだ時間がかかるが、コンセプト実証実験には成功したという。

これなら、帽子やシャツやスマートフォン、それどころか紙片やヘリウム風船の上にも載せることが可能だ。

常温で溶剤を使わずに製造可能

この研究のキーファクターは、太陽光パネルを作る際の基材と保護コーティングを、ひとつの工程で作ることを可能にした新しい手法だという。

それによって、基材を動かしたり掃除したりする必要がなく、同じ場所で作れるため、太陽光パネルの性能を落とす要因であるホコリやその他の汚れに晒されるリスクを、最小限に抑えることができる。

今回のコンセプト実証実験においては、“パリレン”と呼ばれる柔軟性のあるポリマーが基材とコーティングに使われ、DBPと呼ばれる有機材料が、最初の光吸収層に使われた。

“パリレン”は人体埋め込みデバイスやプリント基板の保護などに、すでに商業的に幅広く使われている物質だ。

従来の通常の太陽光パネルが、高温の状況下で有害な化学物質を使って製造されるのに対して、この太陽光パネルは、すべての製造工程が室温の真空チャンバーの中で行われ、なんの溶剤も使わない。

基材と太陽光パネルは、蒸着法を使って形成されていく。

画期的なのは製造法

研究チームは、「この素材の選択はほんの一例であり、重要なイノベーションは、この一連の基材製造プロセスの方法だ」という。

別の素材を使って、基材とそれを包みこむ層を同様に作ることができ、そうすればまた違ったタイプの薄いフィルム状の太陽光パネルが作れる。

この柔軟性のあるパリレンのフィルムは、台所で使われるラップの約10分の1の薄さだというが、製造の際はまず最初にガラスの上に堆積される。

それをどうやってきれいにはがすかが、製造上の大きな課題だった。

研究者たちは、その“パリレン/太陽光パネル/パリレン”というスタックを、柔軟性のあるフィルムで作られたフレームを使って持ち上げる手法を開発し、約2マイクロメートルという、超薄型の太陽光パネルを製造することに成功したという。

なお、現時点ではガラスの上で製造する形をとっているが、ガラスの代わりに別のモノを使うことも考えられるという。

たとえば、布や紙の上に直接堆積させることもできるようになるかもしれない。

今回作られたこの薄型太陽光パネルは、特別高い効率を示すわけではない。しかし、非常に軽量なので、重量あたりの発電量は過去最高である。

これは、宇宙機や研究用の高高度ヘリウム風船などにとっては、非常に重要な要素だ。

なお、ガラスの保護パネルを使う典型的なシリコン系の太陽光パネルが、1kgあたり15ワットほどの発電量であるのに対して、この太陽光パネルはすでに1gあたり6ワットの発電量を達成している。

同重量なら約400倍の効率だ。

もちろんまだまだ実験室内でのコンセプト実証実験の段階で、商業化には時間がかかるという。

しかし、これが実現すれば、電子デバイスの形態は大きく変わる可能性がある。

「実用化には今後も努力を積み重ねる必要があると私たちは思っていますが、決して“奇跡”は必要ではありません」と、研究者のひとりBulović氏はいう。

実用化には、当然経済性や耐久性なども求められるだろうが、この太陽光パネルが実現したら、宇宙機や観測機のような極限のジャンルだけでなく、身近なウェアラブル端末、あるいは微少なセンサー類の進化に大きな影響を与えるだろう。

これもまたIoT化を大きく進化させそうな研究開発だ。

【参考・画像】

※ MIT News

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