アニメ『笑ゥせぇるすまん』の喪黒福造の声をはじめ、数多くのアニメや洋画の吹き替え、ナレーターなどで活躍した大御所声優・大平透(86)さんが、12日亡くなった。
大平さんはラジオアナウンサーという経歴を経て、アメリカで制作された短編アニメを再編集した『スーパーマン』の吹き替え声優として、1955年に声優デビュー。アニメ声優の創世記から活躍した大ベテラン声優だ。
大平さんといえば、不気味な「ホーホッホッ」でおなじみの『笑ゥせぇるすまん』の喪黒福造をはじめ、『ハクション大魔王』のハクション大魔王、『科学忍者隊ガッチャマン』の南部博士、近年では海外アニメ『ザ・シンプソンズ』のホーマー・シンプソンの吹き替えなど、数多くのキャラクターを熱演。実は、88年放送『おそ松くん』第2作目では、デカパンの声も演じている。
また、実写版『マグマ大使』で宇宙の帝王・ゴアを声優兼スーツアクターとして演じるなど、特撮作品にも深くかかわっており、『秘密戦隊ゴレンジャー』といった「スーパー戦隊シリーズ」、また『宇宙刑事シャイダー』といった「メタルヒーローシリーズ」のナレーターとしても活躍した。
吹き替え声優としては、映画『スーパーマン』のクラーク・ケント/スーパーマンや、『スパイ大作戦』の“司令の声”をはじめ、数え切れないほどの作品を担当している。中でも、映画『スター・ウォーズ』シリーズでは、旧3部作と新3部作・エピソード3『シスの復讐』でダース・ベイダーを演じた。持ち前の低い声を生かしたその演技は、監督のジョージ・ルーカスもうなるほどの名演で、ワンシーンのみの出演となった『シスの復讐』では、ルーカス直々にオファーがあったと過去のインタビューで語っている。
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入院前は、「大平プロダクション」「大平透声優ゼミナール」を主催し、後進の育成に力を注いでいた大平さん。永井一郎さん、たてかべ和也さん、大塚周夫さん、白川澄子さんと、近年大御所声優の訃報が続く中、また一人の名優が逝ってしまった。
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