40代、「心の病」労災認定が過去最多! 管理職の義務は

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2016年05月11日 11:01  ノーツマルシェ

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40代、「心の病」労災認定が過去最多! 管理職の義務は

2015年6月25日、厚生労働省が発表した「平成26年度 過労死等の労災補償状況」。心の病、つまり精神障害を患い労災を請求した件数が1453件で、前年に比べ47件増え過去最多。さらに、労災を認められた人も前年に比べ61人増え、497人となったと発表しました。こちらも過去最多の数字だそうです。


年齢別にみると、請求件数、支給決定件数ともに「40 〜49 歳」が最も多く 454 件、140件となっています。続いて、「30 〜3 9 歳」419 件、138件、「 20 〜 29 歳」 297 件、104件。


筆者が特に気になったのが、その具体的な要因です。心の病で労災認定された件数のうち、「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」が69件、続いて月平均の残業時間が80時間以上という長時間労働が55件と増えていることです。


 


■ 管理職が持つ部下への安全配慮義務


管理職のあなたには、使用者(事業者)から委ねられた部下への安全配慮義務があります。安全配慮義務とは「労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をする」使用者の義務と定義されています。


部下が仕事上のストレスで心身の健康を損なった場合、必ずサインが出ているはずです。ミスが続く、遅刻が増えた、仕事中ボーっとしている、涙ぐむ時もあるなど、多くの場合行動にもサインが現れています。業務上に何等かの支障が出ている場合は、管理職は部下に対して早期の対応をする必要があるのです。部下がいつもと様子が違うことに気付いたら、声をかけ相手の話を聴く時間を作りましょう。


 


■ 職場環境改善にも尽力を


長時間労働については、すぐには改善が出来ないかもしれませんが、部下の心身の健康状態を考慮して業務内容の見直しなども行う必要があります。嫌がらせ、いじめ、暴行などは、パワーハラスメントの可能性もあり見逃せません。


このように、長時間労働の軽減や、ハラスメントがおきない環境づくりなど、部下が働きやすい職場環境に改善するのも管理職の大切な役目です。日頃から風通しの良い、悩みを相談しやすい職場環境を作るために、今からでも何か1つできることを見つけて実行してみましょう。


 


そして最後に、40代はおそらく部下を持ち管理職やリーダー職として働いている世代だと思います。あなた自身が自分の健康管理をしっかり行うことは言うまでもありません。


[執筆:高橋 雅美(心理カウンセラー), 2016年5月11日]
【参考】
※ 厚生労働省「平成26年度「過労死等の労災補償状況」を公表〜精神障害の労災請求件数1,456件、支給決定件数497件、ともに過去最多〜」平成27年6月25日


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  • 一般職の公務員が心の病で公務災害と認定されるのは、ほとんど不可能。何かと叩かれるが、いざというときの待遇は劣悪そのもの。
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