小室哲哉も絶賛 あのベテラン芸人の有名ギャグのテンポは「BPM=78」だった!

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2016年05月13日 12:22  BOOK STAND

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『罪と音楽』小室 哲哉 幻冬舎
今からおよそ1年半前の2014年11月、TM NETWORKのアルバム『QUIT30』がオリコンチャートの8位にランクインしました。TM NETWORKとしての復活だけでなく、同グループのほとんどの楽曲を作詞・作曲する小室哲哉さんの復活をも印象づけた出来事でした。

 小室さんといえば、1990年代に「TKサウンド」で一世を風靡しつつ、08年には詐欺罪で逮捕という「栄光と転落」を味わっていますが、執行猶予付きの有罪判決が下った後、『罪と音楽』という手記を発表しています。小室さんの犯行や取り調べの一部始終はもちろん、過去にプロデュースした、しないの如何にかかわらず、さまざまなミュージシャンの特徴なども明らかにした一冊です。

 さらに、小室さんは本書の中で、ある芸人さんの音楽に関する感性に驚かされたとも振り返ります。

 小室さんが言及する「ある芸人さん」。多くの方は、ダウンタウンの浜田雅功さんを想像したかもしれませんが、そうではありません。浜田さんよりもベテランの芸人、大木こだまさんです。

 小室さんは06年、大木こだまひびきのアルバム『チ』をプロデュース。持ちギャグである「チッチキチー」の頭文字を採ったもので、2人のネタ合わせを録音すると、こだまさんの音楽的な傾向が判明したそうです。

「その音源をスタジオに持ち帰り、聞き直してみると、BPM=78を常にキープしている。こだまさんは、完璧にラッパーだと確信した瞬間だ。(中略)そして、レコーディング本番日は、スタジオで再度録音した。すると、まるで計ったかのようにBPM=78。もちろん『チッチキチー』のBPMも78」(本書より)

 BPMとは1分間に何個の四分音符が収まるかを表す指標。こだまさんは「チッチキチー」もほかのネタも、常に一定のテンポで進めているということであり、これに気づいた小室さんは「あれこそ名人芸だ。そういう技を持っている人に出会うと、無性に音楽をつけたくなる」と絶賛します。

 なお、本書によればほかの人気ギャグも一定のBPMを保っている場合が多いとのこと。お笑いには「テンポ感」が不可欠とはよく言いますが、一定のBPMを保つことが重要だったとは......。もしかしたら、最近流行の「リズムネタ」も、これと関係があるのかもしれません。




『罪と音楽』
著者:小室 哲哉
出版社:幻冬舎
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