大事なのは「褒める」よりも…? 心が楽になる子育ての考え方

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2016年05月22日 23:02  新刊JP

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『保育士おとーちゃんの「心がラクになる子育て」』(PHP研究所刊)
「自分はよい親ではない」と子育てに悩み、自分自身を責めてしまう人ほど、子育てに一生懸命な人、まじめな人ではないだろうか。また、子どもに関心が高く、熱心なばかりに、目に見える成果を子どもに求め過ぎてしまう親も多い。

子育ての悩みが積み重なって辛くなってしまう前に、子育ての日々が充実し、親子が笑い合って過ごすにはどうしたらいいのか。

『保育士おとーちゃんの「心がラクになる子育て」』(須賀義一著、PHP研究所刊)では、子育ての基本姿勢、生活習慣、友達関係、子どもとの距離感など、親なら誰もが抱える悩み・疑問を子育てアドバイザーの須賀義一氏が分かりやすく解説する。

■「褒めること」が本当に良いことなのか?

子育てにおいて、「子どもは褒めて育てましょう」とよく言われる。著者は、間違いではないが、場合によってはそれが落とし穴になってしまうことがあると述べる。

「褒める」ことは、子どもの行いがよいものだったときに、大人から与えられるもの。それは子どもの「行動の肯定」となる。この大人の褒め方次第では、子どもになにかを過剰なまでに頑張らせてしまうことになりかねない。大人の期待に応えるために無理を重ねて、育ちが難しくなっている子が増えているという現状があるという。

■「行動の肯定」ではなく「存在の肯定」

子どもが健全に育っていくために欠かせないことは、「行動の肯定」ではなく、「存在の肯定」ではないか。なにか立派なことをして、その結果「褒めてもらう」のは「行動の肯定」であり、なおかつ「条件付きの肯定」だ。

子どもが親から、ただ「かわいいね」「大好きだよ」と言ってもらえるのは、「存在の肯定」であり、それは「無条件の肯定」だ。子どもは幼少期の頃から「無条件の存在の肯定」をたくさんしてもらえることで、安心して明るく前向きに成長していくことができる。

■頑張らせるのではなく…

子どもが小さいうちは、できるようになることを頑張らせるのではなく、ただたくさんかわいがる。このことによって、子どもは成長への活力、モチベーションをたくさん自身のなかに蓄えていく、と著者は主張する。

それがたくさんあれば、すくすくと育っていくことができる。そして、「○○ができない」「成長が平均よりゆっくり」といったことは、「そういう個性を持っているんだな」とあたたかく見守ってあげることが大切なのだ。

本書は、子育てのテクニックを伝えるのではなく、「どうして子どものそういう姿が出てしまうのか?」「大人はそういう姿をどうとらえたらいいのか?」「その背景にはなにがあるのか?」といった、子どもの姿や子育ての根っこにあるものを考えていく。子育てで直面する悩みの助けとなる1冊だ。

(新刊JP編集部)

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