「すぐ行動」は脳と体の仕組みを知ることで直せる! 【矢島雅弘の「本が好きっ!」】

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2016年05月26日 18:42  新刊JP

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『やるべきことがみるみる片付く東大ドクター流やる気と集中力を引き出す技術』著者の森田敏宏さん
みなさん、こんにちは! ブックナビゲーターの矢島雅弘です。

僕がパーソナリティを務めるインターネットラジオ『矢島雅弘の「本が好きっ!」』。第12回のゲストに『やるべきことがみるみる片付く東大ドクター流やる気と集中力を引き出す技術』(クロスメディアパブリッシング刊)を書かれた森田敏宏さんをお迎えして、お送りしました。

■「面倒くさい」は対処可能!

本書で「なかなかすぐ行動できない」からといって「落ち込む必要はない」と説く森田さん。根性論になりがちな「やる気」と「集中力」について、脳や体のメカニズムを知ることから始めようというアプローチは大変興味深いものでした。

インタビュー冒頭では、「やる気がでない状態」つまり「面倒くさい」時、僕たちの脳はどのような状態なのかについてお話をうかがいました。森田さん曰く、「ステップが多いと脳は面倒くさく感じてしまう」。実は、これ僕にはすぐ思い当たることがあったんです。

例えば、メールを送るという作業は、メールソフトを立ち上げる→宛先を探して入力する→本文を書く→送信する、などといったステップに分けることができますが、メールを送るのが面倒だなぁと感じる僕の場合、「本文を書く」というステップを、あいさつを考える、本文の要点をまとめる、結びのあいさつを考える、全体の文章を整える、などと無意識に細分化してしまっていたのです。(こうやって文章にしてみると、これは確かに面倒くさいですね!)

この面倒くささを回避するためには、ビジネスノウハウ本によくあるように定型文を用意する等、ステップをスキップするような仕組みが有効そうです。



■時間の計測や工程を書き出すことも有効

また森田さんは、各ステップ(作業工程)にかかる時間を計測して、「これは○分で終わる」と、各ステップを「簡単なもの」と認識しなおすのも効果的だと教えてくれました。

そもそも、「ステップが多いと脳が面倒くさく感じてしまう」のは、作業工程の多さから脳が「難しい」と判断してしまうからなのだそうです。僕たちの脳にはワーキングメモリー(作業記憶)というものがあって、一度に覚えていられる作業は(個人差はあるものの)せいぜい3〜9個。なので、作業工程を紙に書き出すのも有効なのだそうです。

いわば脳の外部記憶装置として紙を利用するわけです。こうやって聞くと、僕たちの脳は、パソコンのCPUとメモリーのような役割を果たしているんですね。



■逆に遠ざけたいものを遠ざけることも

そして森田さんは、この脳のメカニズムを逆手にとって「ゲームなど集中を妨げるものを遠ざける方法」も教えてくれました。

やり方はいたって単純。ゲームをするために必要なステップを増やしてしまえば良いのです。

例えば、別の部屋の物置の奥にゲーム機をしまっておくなどすれば、ゲームをするためにステップが、部屋を移動する→荷物をどかす→ゲーム機をとる→部屋を移動する→ゲーム機を設置する→電源を入れる、と非常に多くなりますよね。

受験生の頃に実行してた人もいるかもしれませんが、実はそこには脳のメカニズムが作用していたのです。

そのほか、さらに詳しいメカニズムや、集中力を引き出すための食事・運動などについて知りたい方は、ぜひインタビューを聞き、本書を読んでみて下さい。できない自分を責める前に、そのメカニズムを知りましょう!

(文/ブックナビゲーター・矢島雅弘)

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【矢島雅弘の「本が好きっ!」】
ブックナビゲーター・矢島雅弘による書評ラジオ。毎回、話題の本の著者が登場して、本について掘り下げるインタビューを届ける。
オーディオブック配信サービス・FeBeにて無料配信中。http://febe.jp/honga

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