最も受けられているがん検診は?医療情報調査研究会が意識調査を実施

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2016年05月27日 12:00  QLife(キューライフ)

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QLife(キューライフ)

対象者の半数以上ががん検診・検査を受けた経験アリ

 日本人の死亡原因1位であるがんですが、がん検診による早期発見で死亡リスクを低減することができると言われています。医療情報調査研究会が、がんの検診・検査に関する調査を行いました。調査対象は10代から70代の男女1,153人。年代別では、30代が241人、40代が218人と働き盛りの世代を中心に回答が集まりました。

 調査対象者のうち、がん検診・検査を今までに受けたことがある人は690人で、受けたことがない人は463人。半数以上の人がこれまでがん検診・検査を受けていることがわかります。また、受けたことがあると回答した人を対象に、どういった種類の検診・検査を受けたか尋ねたところ、最も多かったのは「超音波(エコー)検査」で、407人が「受けた」と回答しています。

 次に多かったのは「X線検査(レントゲン検査)」で372人。続いて「血液検査」が315人、「内視鏡検査」が297人、「CT(コンピューター断層撮影)」が172人、「MRI(磁気共鳴撮影)」が123人、「PET(陽電子放出断層撮影、ポジトロンCT)」が95人という結果になりました。また206人が、これら以外の検査を受けたと回答しています。

診断の精度と費用に不安を持つ人も

 「がん検診・がん検査に関して一番不安に思うことは何ですか?」との問いには、「早期発見しにくいがんに対する診断精度」を挙げた人が最も多く、480人でした。次に「費用」を挙げる人が多く、426人が回答。一方、不安は「特にない」という人も247人いました。「費用」を挙げる人が多かったのは、がん検診は1回実施すれば終わりではなく、定期的に行う必要があるため費用がかさむ、と考えているのかもしれません。

 また、早期発見が難しいすい臓がんなどでは、「超早期発見検査」が各研究機関で開発されつつあります。例えば、国立がん研究センターでは血液バイオマーカーを活用したすい臓がんの早期診断の研究が行われています。このような超早期発見検査を知っているか尋ねたところ、「知らない」と答えた人が545人だったのに対し、「知っている」が459人、「よく知っている」が149人。やはり、最新の研究に興味を持つ人が多いようです。

 今回の調査では、がん検診・検査を受けている人は半数以上、健康への意識の高まりも感じられる結果が出ました。一方、診断の精度に不安を持つ人や、検査にかかる費用に不安を持つ人も多いことがわかりました。検査精度の向上と費用面での負担軽減。この両立が、これからのがん検診・検査の発展で期待されていることと言えるでしょう。(林 渉和子)

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