そろそろ寝ようかな、と思ったら、空中に「システムの更新を始めます」というメッセージが表れた。
それは、自分の眼球に埋め込まれた“サイボーグレンズ”のアップデートだ……。
──という時代が来るかもしれない。
Googleが、眼球に埋め込むデバイスの特許を申請していたのだ。
同社は、目に関する技術開発に熱心で、これまでにもスマートグラスやスマートコンタクトを開発してきたが、今回の技術は“眼球に埋め込む”という、さらに踏み込んだ技術を目指している。
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“目がムズムズしてくる”様な世界を目指しているようなのだ。
眼球に「多機能な電子デバイス」を埋め込む
申請された内容によれば、このデバイスは水晶体を取り除いた空間(水晶体嚢の中)に、新しい液体を入れてその中にデバイスを設置するという。
現在の白内障の手術に近い手順だ。
そして、注入した液体が凝固することで、デバイスは眼球に固定される。
この装着されるデバイスが凄いのだ。
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デバイスにはデータストレージ、センサー、通信装置、バッテリー、そして焦点が自動調整される電子レンズが搭載されるという。
しかも“Energy Harvesting Antenna”(エネルギー収穫アンテナ)を利用すると言うことなので、飛び交っている電波から電力を取り込むことになる。
そのため、「電源コードが目から飛び出している」というやっかいな状況は避けられそうだ。
外部デバイスとも無線通信できるので、見ている映像をスマホに転送してSNSにアップする、などといったこともできるようになりそうだ。
「視力矯正」だけではない高機能
このデバイスに搭載された電子レンズは、自動的にピントを合わせてくれるため視力が矯正され、近眼や老眼などの症状があった人は、メガネやコンタクトレンズなど、より自然な視力を取り戻すことができる。
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それだけではない。データストレージや無線機能も持っているため、見た映像を静止画や動画として記録することもできる。
さらに、望遠機能や顕微鏡の機能も備わると言うから、もはやサイボーグ映画の世界だ。
もし、自分を見つめている人の目に、このデバイスが埋め込まれていたとしたら気味が悪くなるだろう。
あるいは遙か遠くから、密かに望遠で覗かれているかもしれないのだ。
「ハッキング」という懸念点
ただ、このようなデバイスが実現したら問題もある。
最近、世界中の監視カメラの映像が、インターネット経由で覗き見できてしまうサイトが公開されるなどしたが、これと同じ事が起きてしまう可能性があるのだ。
つまり、このデバイスを埋め込んだ目で見ている光景はデジタルデータ化され、しかも通信機能を持っているので、ハッキングされれば、見ている光景から個人が特定されたり、行動が追跡されたりする可能性がある。
もっとも、まだ特許申請されただけなので、必ずしもこのデバイスが実現するとは限らないが、Googleほどの技術力がある企業が、実現を目指そうとしていることは注目されるだろう。
【参考・画像】
※ Google Patent Application Shows Device That’s Injected Directly Into Your Eyeball To Improve Vision
※ Google patents vision correcting gadget that is implanted into your EYEBALL – Daily Mail Online
※ United States Patent and Trademark Office
※ ra2studio / Shutterstock