寝室で「夫の不倫相手」に遭遇、窓ガラスや皿を壊してブチ切れ…壮絶離婚「20年史」

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2016年07月02日 09:51  弁護士ドットコム

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里帰り出産中に夫の浮気が発覚、相手の女性と自宅でまさかの鉢合わせーー。離婚から20年、「今が一番幸せ」と笑う浜岡美智子さん(仮名・40代)が、弁護士ドットコムの記者に過去の壮絶な体験談を話してくれました。


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 ●不倫女と鉢合わせ「食卓に包丁を突き刺した」


美智子さんの元夫は九州出身で12歳年上。居酒屋でたまたま隣り合わせ、意気投合したことから交際がスタートし、2年間の同棲を経て、美智子さんの妊娠を機に結婚しました。


臨月になると美智子さんは実家に帰り、元気な男の子を出産しました。ところが、夏を迎えて息子が生後3ヶ月になった頃、夫の待つ自宅に帰ると、玄関に見覚えのない女物の靴が。「まさか」。そう思って寝室の扉を開けると、そこには当時23歳だった美智子さんよりも若い女の子が寝ていたのです。


里帰り出産中にまさかの不倫。「ぷっちーんときた」という美智子さんは、マグカップや食器皿、窓ガラスなど、家中にあるものを片っ端からものすごい勢いで割っていきました。「とにかく腹が立って、寝ていた女の足の踏み場をなくしてやろうと思ったんです。床中が割れ物の破片だらけになって、布団から出られなくなればいい、って。その女の子ですか?突然のことに驚いて、怯えながら無言で私の様子を見ていましたよ。怖かったでしょうね」。


最後は、台所にあった包丁を食卓に思いっきり突き刺して、何も言わずに家を出てきたそうです。その後すぐに公衆電話から元夫に電話し、「早く家に帰った方がいいわよ。大変なことになっているから」とだけ伝え、実家に引き返して夫からの連絡を待ちました。「浮気がわかった時点で離婚する決意はしていましたが、まずは元夫の方から連絡してくるべきだと思って、私はとにかく待ち続けました」。


 ●養育費の支払いが滞り、元夫の給料を差押え


それから3ヵ月後、元夫から離婚調停の申し立てがあり、離婚協議へ。3ヵ月間の話し合いの末、離婚が成立し、元夫から美智子さんへ、養育費7万5000円を支払うことが決まりました。美智子さんが仕事を見つけるまでの6ヵ月間は、生活費3万5000円と合わせて11万円が毎月支払われていたそうです。


しかし、徐々に、養育費の振り込みが滞るようになりました。元夫に口頭で催促するだけではらちが明かない...そう判断した美智子さんは、裁判所へ。元夫に強制的にお金を支払わせるため、裁判所で給料を差し押える手続きを行ったそうです。


月々7万5000円の給料差し押えは息子が5歳になるまで続きましたが、元夫が会社を退職したために給料や預貯金のありかがわからなくなり、やむなく中断。以降、養育費は受け取れなくなりましたが、その時には美智子さんも仕事をして自分で収入を得ていたため、母子手当(児童扶養手当)と合わせてなんとか生活できたそうです。


元夫との離婚から20年以上が経った今、美智子さんは笑顔でこう語ります。


「当時は、幼い息子を育てていかなければいけないから、とにかく自力で生計を立てることに必死でした。打ちひしがれている暇もなくて、仕事を探さなきゃ、お金を稼がなきゃって。この体験を笑って人に話せるようになったのは、離婚してから6年くらい経った頃でしょうかね。今は息子も成人して、私を精神的に支えてくれています。あんな男と別れて本当に良かった。私、今が一番幸せなんです」


 ●養育費不払いに有効な「強制執行」とは?


体験談の中で、美智子さんは元夫に強制的に養育費を支払わせるべく、給料の差押えをしています。離婚問題に詳しい高木由美子弁護士によると、この方法は「強制執行」といい、「離婚をする際、公正証書や調停調書の形で養育費の取り決めがされているにもかかわらず、相手が支払わなくなってしまった場合に、相手の勤務先の給料などへ、その2分の1の額を上限として差し押さえる手段」ということです。


強制執行は、必要な書類を裁判所に提出して、申し立てを行います。なお、毎月強制執行をする必要はなく、一度申し立てをすれば、その後は毎月、相手の勤務先から養育費が直接支払われるようになります。「養育費の不払いに対して、強制執行は非常に有用です。正規、非正規問わず、相手が会社勤めの場合、まずは、給料差押えを考えると良いでしょう」。




【取材協力弁護士】
高木 由美子(たかぎ・ゆみこ)弁護士
第一東京弁護士会所属。米国・カリフォルニア州弁護士

事務所名:さつき法律事務所
事務所URL:http://www.satsukilaw.com/


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