新婚夫「出会い系アプリ」手放せず、半年で40人と密会…妻にバレた場合の法的リスク

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2016年07月17日 10:41  弁護士ドットコム

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東京都内の金融関連企業で営業職として働くY男さん(30)が、多くの女性に惜しまれながらも、年貢をおさめたのは昨秋のこと。どことなく松田翔太に似た涼しげな顔つきに、体育会系部活で鍛え上げた肉体のギャップ。そして何より、つぶらな瞳でじっくりと話を聞く姿勢はクライアントだけでなく、多くの女性を魅了してきました。


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しかし、そんなY男さんの結婚を、大学時代の先輩のM子さん(33)だけは、冷めた眼でみています。飲み会でふとY男さんが漏らした「裏の顔」を知っているからだといいます。Y男さんは、結婚前から現在に至るまで、スマートフォンの「婚活アプリ」や「出会い系アプリ」で知り合った女性たちとの「密会」を繰り返しているというのです。


その数、結婚からわずか半年で約40人。「出会い系アプリは、すぐにヤれますよ」といい、そのうち10人と「セックスした」と豪語しているY男さん。相手には既婚であることを告げず、2回以上は会わない自分ルールをもうけています。


一度、Sさんが「新婚なのに大丈夫なのか?」とたずねたところ、Y男さんは「妻にはバレてないですよ。僕は、平日午後5時には仕事が終わり、そのあとアプリで知り合った女性と会う時間をつくっています。遅くても午後10時くらいに、だいたいのことをヤり終えます。だから、妻に怪しまれる心配はありません」と答えたそうです。


夫婦間の営みも週2回あるそう・・・。Y男さんは「妻をいちばん愛しています。だけど、毎日、懐石料理を食べるわけにはいかないでしょ。たまにはファストフードを食いたくなるじゃないですか(笑)」と開き直っています。


Sさんには「次から次へとゲーム感覚で女性を口説いているだけ」と見えています。Y男さんの行動は、どんな法的リスクがあるのでしょうか? 染川智子弁護士に話をききました。



 ●妻に証拠を握られていないかぎり、ただちに離婚されるおそれは低いが・・・


Y男さんが、女性と手をつなぐだけのプラトニックな夜を過ごされている場合は別ですが、不貞行為、つまり、肉体関係におよぶ場合には、離婚されても仕方がないと思います。不貞行為は「離婚理由」として認められるからです。


もっとも、Y男さんの妻が離婚するためには、「密会」の証拠をガッチリつかんでおくことが重要なポイントになります。逆に、Y男さんは、たとえ「密会」が事実上バレたとしても、妻に証拠を握られていないかぎり、ただちに離婚されるおそれは低いかもしれません。


また、夫の不貞行為により、妻がどれだけ深く傷付いたのか、つまり、妻の精神的苦痛の度合いに応じて慰謝料の金額も変わります。そのため、たまたま1人の女性と1回だけの「密会」の場合よりも、相手が複数人、複数回のほうが、慰謝料の金額は高くなると考えやすいでしょう。


ただ、1人の女性と継続的に多数回にわたった場合と、多くの女性との間で1回限りの場合で、どちらのほうが妻の精神的苦痛の度合いが大きいかについては、なかなか、ひとくちには評価できない難しさがあると思います。


Y男さんは、密会女性と2回以上会わないルールを設けています。このように「密会」といっても、ごく短期間の関係であることや、妻との夫婦生活も維持し、「妻をいちばん愛している」という気持ちもあるので、妻との結婚生活(婚姻関係)を破たん・解消する事実も意思も、認められにくいようにも思えますね。


そうした場合、妻が受ける精神的苦痛の度合いは低いと考えることもできますので、慰謝料金額も低くなる可能性があります。


しかし、そうはいっても、妻にとっては、半年で40人もの女性と「密会」を繰り返す夫を信用して夫婦生活を続けることは、非常に難しい場合がほとんどのように思えます。バレた途端に別居・離婚に至るケースが多いのではないでしょうか。そうした場合、結局のところ、慰謝料金額が低く収まるということは考えにくいでしょう。また、仮に妻が「密会」の証拠を持っていなかったとしても、いったん別居に至ってしまうと、いずれは離婚に至るケースが多いと思われます。


 ●お酒を飲むだけで肉体関係がない場合は?


Y男さんは、女性とお酒を飲むだけで肉体関係がないこともあるようです。こちらについてまで「不倫」にカウントされてしまうと、離婚してしまう夫婦が続出して、大変なことになってしまいます。もちろん、この場合は「不倫」にカウントされることはないでしょう。


もっとも、「お酒を飲むだけ」の場所がラブホテルなどであった場合、「お酒を飲んだだけだったんだよ!」とY男さんがどれだけ真剣な顔をして説明しても、妻や、はたまた、裁判官を説得することは、難しい場合が多いかもわかりません。


このように、肉体関係があったことがかなりの度合いで疑われてしまう証拠を妻が持った場合、実際には肉体関係がないのに、「あったことにされてしまう可能性」というのは否定できないかもしれません。残念ながら、この場合、事実上、不倫にカウントされてしまいかねないでしょう。


 ●トラブルになる前に


Y男さん、トラブルになってからは、本当にしんどいですよ。何より、妻を大事にしている場合、ひどく傷付けることが目に見えています。離婚されて大事な妻を失うことも十分に考えられますから。


また、「密会」の相手女性に「既婚」を告げていない場合、相手女性を無用のトラブルに巻き込むことになります。そのほか、相手女性がストーカーになって、妻に、密会をバラす「怪文書」などを送り、離婚に追い込むケースもみられます。


このほかにも、美人局(つつもたせ)、つまり、相手女性がほかの男性などとグルになって、いわれのない因縁をつけてきたり、脅してくるなどして、お金を根こそぎとられるようなことも実際にあります。


あなたを心配し続けてくれる妻ほどの女性は、いくら出会い系を続けても出会うことはないでしょうから、失ってしまう前に、もっとほかの方法でストレスを解消させる工夫をしてみるのも、いいかもしれませんね。




【取材協力弁護士】
染川 智子(そめかわ・さとこ)弁護士
あわざ総合法律事務所(大阪弁護士会)弁護士。離婚問題を多く取扱う。わかりやすい気さくな説明を心がけ、より満足感の高い解決に重点を置く。駅徒歩0分・カフェスタイルで、男女問わず気軽に利用できる雰囲気を大切にしている。

事務所名:あわざ総合法律事務所
事務所URL:http://awaza-law.jp/


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