人工透析患者さんの約70%が未婚、「恋愛や結婚を諦めている」との声も

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2016年07月21日 12:00  QLife(キューライフ)

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「旅行」に消極的も7割以上

 腎臓病によって血液のろ過が充分に行えず、水分や老廃物のコントロールがうまくできなくなると人工透析(血液透析療法)によって血液の浄化を行う必要があります。人工透析にかかる時間は、週3回、1回4時間程度が標準的と言われ、日常生活に大きな影響を与えます。人工透析を受ける患者さんは、どのような悩みを抱えているのでしょうか。株式会社ペイシェントフッドが透析患者71人を対象に「患者が抱える悩み」について調査を実施したところ、約8割(77.5%)が透析生活で日常的に困っていることや悩んでいることがわかりました。

 どのような悩みがあるか、「家族・友人」「仕事」「旅行」「恋愛・結婚」「生活」という5つの分野について質問したところ、悩みが最も多かった分野は「旅行」でした。「透析が理由で行くのを断念したことがある」という項目には、50.7%が「当てはまる」、28.2%が「やや当てはまる」と回答しています。また、「旅先での透析がもっと気軽に出来れば旅行に行きたい」という項目も、「当てはまる」「やや当てはまる」が合わせて74.7%でした。

 透析ができる施設自体は全国各地にありますが、普段通院していない施設で治療を受けるためには、「臨時透析の受け入れをしているか」「予定している日時に空きがあるか」「普段行っている透析条件(血流量、透析時間等)の受け入れが可能か」などの条件をクリアする必要があります。旅行先の宿の手配に加えて、条件を満たす透析施設を探す手間もかかるため、旅行には慎重になってしまうようです。

「残された寿命が短い」など誤ったイメージが先行

 また、「恋愛・結婚」の分野で悩みを抱えている患者さんも多いようです。調査結果を見ると、「病気が障害で恋愛や結婚がうまくいかなかったことがある」に当てはまると答えた人は25.4%。「病気が理由で恋愛や結婚を諦めてしまっている」に当てはまると答えた人は26.8%でした。

 今回の調査対象となった患者の年齢層を見ると、50歳以上が60.6%で、残りのほとんどは40代。しかし、既婚者の割合は31.0%で、未婚率が69.0%です。2010年の国勢調査によると、35歳から39歳の未婚率は男性が35.6%、女性が23.1%ですから、今回の調査による未婚率は倍近いということになります。

 腎臓病の病状や治療方法は、一般的にあまり知られていないことも多く、「残された寿命が短い」「患者家族は看病が大変」などの誤ったイメージが先行していることが影響しているかもしれません。まずは、病気についての正しい知識を知り、患者さんと向き合うことが求められます。(林 渉和子)

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