「まわりに比べて自分は普通だ」と落ち込んだ放送作家の巻き返し

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2016年07月28日 23:22  スタディサプリ進路

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スタディサプリ進路

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有名人からすごい同級生まで、大活躍している人を見ると、たまに 「もって生まれた才能が違うから」 とあきらめ気分が強くなることはない? 例えばこの漫画のように、何となくまわりと自分をランク分けしちゃったり。 「まわりに比べて自分は普通だ」と落ち込んだ放送作家ピエール杉浦さんの巻き返し (http://journal.shingakunet.com/wp-content/uploads/2016/07/houdou_01.jpg) ©Pierre Sugiura・Shino Shimizu/SQUARE ENIX 「まわりに比べて自分は普通だ」と落ち込んだ放送作家ピエール杉浦さんの巻き返し (http://journal.shingakunet.com/wp-content/uploads/2016/07/houdou_02.jpg) ©Pierre Sugiura・Shino Shimizu/SQUARE ENIX houdou_03 (http://journal.shingakunet.com/wp-content/uploads/2016/07/houdou_03.jpg) ©Pierre Sugiura・Shino Shimizu/SQUARE ENIX そのランク分けで「自分は三軍だし」と一度はあきらめモードになったのに、今では第一線で活躍している人がいる。 テレビのエンタメ番組『シャキーン!』『天才てれびくん』の構成を手がけた放送作家であり、テレビアニメ『おしりかじり虫』『ばらかもん』のシリーズ構成と脚本を担当したシナリオライターであり、上の漫画『構成/松永きなこ』の原作者でもある、ピエール杉浦さんだ。 『構成/松永きなこ』は、自称「三軍」松永きなこが、仕事に恋に一歩踏み出す青春コメディーだ。彼女は「一度も使ったことのなかった『根性』を初めて使った」ことで、ついに放送作家になるチャンスをつかむ! でも現実は非情。番組の企画会議に参加した彼女は、ほかの一軍放送作家のすごさに圧倒され、今まで以上に自信を失ってしまう。 実はこのストーリーは、ピエールさんが本当に味わっちゃった苦い体験をもとにしているのだという。 その時の心情は。その三軍モードからなぜ巻き返せたのか。 ご本人に聞いた。 「変態脳の一軍放送作家」と「普通すぎる自分」 当時、ピエールさんは25歳。小劇場で俳優や脚本家の活動をしていた。放送作家の仕事にも興味があり、「やりたい」と言い続けていたら、先輩の紹介でテレビ番組の企画会議に参加できることになった! 悪夢はそこから始まった。 「まわりに比べて自分は普通だ」と落ち込んだ放送作家の巻き返し (http://journal.shingakunet.com/wp-content/uploads/2016/07/kinako04.png) ©Pierre Sugiura・Shino Shimizu/SQUARE ENIX 「ぼく以外に集まった放送作家は超一軍。レベルが違いすぎてぼくだけ一言もしゃべれない、そんな会議が何回か続きました。お昼どきの会議でご飯も出たのですが、大好きなウナギもノドを通らない。自分に食べる権利があるとは思えなかったから。帰る途中に気分が悪くなって吐いたりして。自分の脳みそが否定されたように感じていました」 「放送作家ってもともと変態脳(=天才的な脳)の人しかなれないんだ」 「おれは普通すぎる、つまらない人間だ」 しまいにはピエールさんは、会議に行こうにも足がすくんで動けなくなった。 そこで会議からは戦線離脱。放送作家の仕事は、いったん、そこで途切れた。 しかし5年後。ピエールさんはNHKが番組企画を募集していると聞きつけ、たくさん企画を出した。それが認められ、新番組『シャキーン!』の放送作家の一人に抜擢された! そこで経験を積み、その後は放送作家、脚本家として活躍の場を広げていった。 「まわりに比べて自分は普通だ」と落ち込んだ放送作家の巻き返し (http://journal.shingakunet.com/wp-content/uploads/2016/07/kinako05.png) ©Pierre Sugiura・Shino Shimizu/SQUARE ENIX『構成/松永きなこ』ガンガンONLINE(スクウェア・エニックス)にてweb連載中。 (http://www.ganganonline.com/contents/kinako/) 一軍に求められるリサーチ力とは? ピエールさんはなぜ再チャレンジできたのだろう? 一つには気持ちの変化があった。 「小劇場にすごい俳優がいるというので観にいったんです。たしかに別格の人がいて、後に人気俳優になる堺雅人さんでした。この人も変態(=普通とは違う天才的な才能の持ち主)なのか。そう思ったら、稽古場で会うと普通な感じで。ただ、稽古が始まる何時間も前から汗だくになって何度も動きの確認をしていました。世の中には生まれつき変態な人もいます。でも、堺さんのように努力と試行錯誤をすれば、“普通村出身"でも変態村に行けるんじゃないか。そう思ったんです」 じゃあ、普通村出身が放送作家になりたいなら、どんな努力をすればいいのか。 ピエールさんが大事にしたのは、リサーチすることだ。 「ぼくが思うリサーチとは、単に調べる作業ではなくて、『おもしろがって調べる』ことです。おもしろがって調べるほど、わかったことに対して『行動したくなる』ので。例えば放送作家のなり方はネットですぐ調べられますが、おもしろがってそこに分け入ると、自分ならどうする?と動きたくなります。行動につながるリサーチが大事なんです」 ピエールさんは、放送作家の先輩のやり方をリサーチした。企画書ってこんな書き方もあるんだ。この写真の使い方、おもしろい。 さて、自分はどうするか。 「まわりに比べて自分は普通だ」と落ち込んだ放送作家ピエール杉浦さんの巻き返し (http://journal.shingakunet.com/wp-content/uploads/2016/07/houdou_07.jpg) リサーチは放送作家の仕事の基本でもある。番組のために、今まで興味がなかったこと、例えば全然知らない地域を調べることもある。でもそれをおもしろがると、「なんだこの料理!?」「こんな電車があるんだ」とワクワクしてきて、「ここをクイズにしたら」「これを視聴者にこう伝えたら」とやりたいことが出てくる。 リサーチが「行動にも企画にもつながっていく」のだ。 「だから企画に興味があるなら、高校生の時から何でもおもしろがって調べちゃうといいですよね。数学が苦手でも、歴史が嫌いでも、テストの点数はあげようとゲームの攻略法を探るつもりで調べたり。球拾いとかの雑用も、どんな球が飛んでくるか分析しておもしろがったり。つまらないことをつまらなそうにやる人はたくさんいるけれど、それすらおもしろがっちゃう人は、まわりからも光って見えるから」 あなたは自分をどう思っているだろう。 とりえがない、と感じているなら、まずは目の前のことをおもしろがって調べてみては? いい意味でのあなたの変態性がにょっきり顔を出すかもしれない。

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  • 何が流行るかっは、どれだけ其が好きっか。モノ持ちがいいではなく最後まで好きを通すのがコツだと思う。嬉笑
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