定員800名という刑務所に3600名の受刑者が超過密状態で収監されているのは、フィリピン・マニラのケソン市にある刑務所。最悪なその環境を明らかにしたのは、ここで服役したことがあるレイマンド・ナラグさんという男性であった。米「南イリノイ大学(Southern Illinois University)」で司法を学び、留学を終えて帰国したところ身に覚えのない殺人容疑で有罪判決が下り、7年の服役を命じられた。晴れて刑期満了となった彼は、収監中は常に「死」と隣り合わせだったその世界を『Freedom and Death Inside the Jail』という著書にまとめ、出版したのである。