パフォーマンスを最大限引き出すためのルーティンの作り方

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2016年08月09日 18:02  新刊JP

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パフォーマンスを最大限引き出すためのルーティンの作り方
スポーツの世界において、ルーティンを重視する選手は多い。ラグビー日本代表の五郎丸選手による「五郎丸ポーズ」は記憶に新しいところだ。

アスリートたちがルーティンを重視する理由は言うまでもなく、平常心を保ち、パフォーマンスを良くするため。そう考えると、何かとストレスの多く平常心を乱されがちなビジネスパーソンも、この考え方を多いに参考にしてもいいはずだ。

今回は、『やらない決意』(サンマーク出版刊)の著者である井口晃さんに、一般の人がルーティンを作る上での作法について話をうかがった。

■意志エネルギーを温存するための秘訣とは

――本書では、「意志エネルギーを浪費しないためには、決断の回数を減らすことが大事。そのための手っ取り早い方法は、日々の『ルーティン』を決めること」と書かれていますね。

井口: はい、日々の生活において「いつ、どこで、何をするか」をあらかじめ決めておくことが重要です。

朝のメニューをどうするか、何時に家を出るか、通勤電車のなかでどう過ごすか等、いちいち悩まなくてすむよう、具体的なルーティンを作っておくわけです。悩むことは意志エネルギーの浪費につながりますからね。

――井口さんの場合、たとえば朝起きてから仕事を始めるまでに、どんなルーティンを設けているのですか。

井口:朝は8時ごろ起きて、まず20分ほど瞑想をします。そうして心を落ち着けたら、レモン水を飲む。ここまでで8時半ぐらい。

その後、曜日によってはジムへ行って軽く運動し、ジムへ行かない曜日については、自宅でトランポリンをします。そうこうするうちに9時ぐらいになります。

これらの運動が終わったら、野菜ジュースなどのヘルシーな朝食をササッととる。ここまでで、だいたい9時半から10時くらいになっています。仕事に取り掛かるのはそれからですね。

――ちなみに、なぜトランポリンなのでしょう(笑)?

井口:一時期、リンパについて調べてみたことがあったのですが、どうやらリンパ液の流れを促進できる唯一のスポーツがトランポリンらしいのです。

リンパ液が流れれば、血液も循環するようになりますから、身体にいい。そういうわけで、取り入れるようになりました。

――話を戻すと、インタビュー前編では、「意志エネルギーがたっぷり残っている午前中のうちに創造的な仕事を」との話もありました。午前中、仕事を始めて以降、「やらないようにしている」のはどんなことですか。

井口:私にとっての創造的な仕事とは、文章を書くことです。したがって、午前中はもっぱら、本を書いたり、メールマガジンやフェイスブックのメッセージを書くことで時間を割きたい。

そこで、午前中は人と会わないようにしています。会議などの場面を想像していただければいいのですが、人と会ってコミュニケーションをとるのは、それだけでかなりの意志エネルギーを使うことになるからです。

■ルーティンは「100点満点を目指さない」ほうがいい

――先ほど「ルーティン」の話をうかがって、ラグビー日本代表の五郎丸選手のことを思い出しました。五郎丸選手のルーティンは3年がかりで作り上げたそうですが、本書でいうルーティンは、どれくらいの期間をかければいいのでしょうか。

井口:1ヶ月を目安にすればいいと思います。私もだいたいそれぐらいで、ルーティンが固まっていきましたから。また、あわせてお伝えしたいのは、「80点でOK」ということです。

ルーティンと聞くと、今、話に出た「五郎丸ポーズ」などのように、かなりカッチリしたものを想像する方も多いかもしれません。しかし、私たちはアスリートではないわけですから、そこまで厳密に決める必要はありません。

私自身、ジムへ行く曜日や朝食メニューなど、いまだに微調整を繰り返しています。年をとり、体質や気質が変われば、それに伴って心地よく感じるものも変化するのが普通です。それに合わせてルーティンも変えていくというのが自然なのではないでしょうか。

――最後になりますが、読者の皆様へメッセージをお願いします。

井口:以前、MLBのイチロー選手が試合当日の朝は必ずカレーを食べるというのが話題になりましたよね。その影響からか、ルーティンを含め、何かをやる・やらないというマイルールを作ることに、どこか「孤高」なものを感じる方も多いかもしれません。

ですが、私が本書でいっているのは、「一人で黙々と……」というより、「誰かと楽しみながら」というスタイルを念頭にしています。

私はよく「同志を見つけてください」というお話をするのですが、共感できる価値観を持ち、良い影響を与え合える人と、より良い時間を過ごすためのきっかけとして、本書が役に立てたらうれしいです。

(新刊JP編集部)

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