経済アナリスト・森永卓郎が大胆予測 10年後も「残る」仕事

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2016年08月10日 19:02  新刊JP

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経済アナリスト・森永卓郎が大胆予測 10年後も「残る」仕事
「この仕事、10年後もあるんだろうか……」

いま自分が就いている仕事について、こんな不安を持ったことはないだろうか。

オックスフォード大学のオズボーン准教授による「今後10年〜20年ほどで約47%の仕事が自動化される」との予測もあるが、AI分野のイノベーションの進み具合によっては、この予測よりもさらに近い将来、より多くの仕事が自動化される可能性もある。

■10年後、「消える仕事」と「残る仕事」

テレビのコメンテーターでお馴染みの経済アナリスト・森永卓郎氏も『10年後に失敗しない 未来予想図』(神宮館刊)のなかで、「消える仕事」について言及している。

1ミリもはみ出してはいけないような正確さが求められる仕事、同じ作業の繰り返しのような仕事は、ほとんどロボットが代わって行うようになります。
(本書29ページより引用)

興味深いのは、上記の内容からさらに広げて、「残る仕事」の性質も導き出していることだ。

生身の人間は、「いかに枠からはみ出すようなアイデアが出せるか」「未知な分野にも臨機応変に、かつ果敢にチャレンジできるか」ということが求められるようになるでしょう。
(本書29ページより引用)

森永氏はこれら「残る仕事」の性質のひとつとして、「アーティスト系の仕事」と述べている。

■農業に求められるアート性

具体的に、どのような仕事がアーティスト系なのか。
真っ先に思い浮かぶのは、音楽や芸術といった分野での仕事だが、それだけではない。

森永氏によると「農業」もアーティスト系の仕事に含まれるという。

一体、なぜ農業に創造性が求められるのか。

森永氏は、あるユニークな農法により「10キロ8000円」の米づくりを実現させた友人農家の例を紹介している。独自性のある農作物をつくることができれば、どんなに競争が激しくとも生き残れる。その開発は「創造」というわけだ。

■今後、どんな仕事内容も「3つの要素」のバランスで決まるようになる

これまで紹介してきた「消える仕事」「残る仕事」の話もさることながら、最も興味深いのは、そもそも森永氏がどのような考えにもとづき未来予測をしているかという点だ。

森永氏は2015年10月より施行された改正派遣法などに触れながら、日本の雇用形態がこれからの10年で劇的に変わっていくことを指摘。その上で、「業界ごとの枠組みで仕事選びをすること」は意味をなさなくなるだろうとの予測を立てている。

では、何をものさしにして仕事を選べばよいのか。
本書によれば、今後はどのような業界でも、以下に挙げる3つの要素のバランスで仕事内容が決まっていくことになるという。

(1)ハゲタカ
(2)アーティスト
(3)従僕

ハゲタカは「金儲けが一番」、アーティストは「アイデアや感性で勝負」、従僕は「上層部の指示にひたすら従う」といった性質を持つ。職業選択の際にはどの要素を重視するかをものさしにしていけばいいというわけだ。

どの要素が強い仕事に就くかによって、当然、収入面での差はつくが、それぞれメリット・デメリットがあり、単純に優劣をつけられるものではない。

たとえば、ゲームクリエイターのようにアーティスト性の高い仕事の場合、弱肉強食の世界であるため、成功すればいいが、浮き沈みはかなり激しい。
一方、幼稚園教諭のような従僕性の高い仕事であれば、仕事の裁量度は低いものの、最低限の収入は保証されるため、安定度は高い。

なお、上記に挙げたものはどれも「人間にしかこなせない業務」が前提となっている。この3つのうちどれにもこなせない隙間の部分をロボットが補うようになっていくそうだ。

これらの職業ポジションを理解しておくことで、収入や仕事内容をより鮮明にイメージできるようになり、確かなライフプランを立てられる。
将来への漠然とした不安を解消したい読者ならば、何かしら得るものがある一冊といえるだろう。

(新刊JP編集部)

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