ドローン飛行の申請なし認可で、ドローンの産業利用は加速するか?

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2016年08月17日 10:10  FUTURUS

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FUTURUS(フトゥールス)

空の産業革命と呼ばれ、注目が集まるドローンビジネス。測量やインフラ設備の点検、空撮に農業など、様々な活用が期待されていて、多くの企業が事業参入をし始めている。 そんな中、ドローン用データ管理クラウドサービス「DroneCloud」などを運営するCLUEでは、航空法で定められた飛行禁止区域や方法について「日本全国飛行包括承諾」を国土交通大臣より取得したと発表。国土交通省・航空局への申請なしで産業用ドローンの飛行ができることとなった。

飛行申請に関する混乱

ドローンの飛行については、2015年12月10日に施行された改正航空法により、人口密集地区など飛行禁止区域で飛行させる場合は国土交通省・航空局へ申請が必要だ。ところが、実際に申請をした事業者などの話では、認可が下りるのに申請から1ヶ月以上かかるケースもあるという。そのため、必要な時に飛行させられない場合も多く、クライアントからのニーズに対し、迅速な対応が難しいこともしばしば。結果的に、多くの企業で導入事例などがあまり増えていないのが現状だ。

様々なサービスの実績が“承諾”へ

今回、CLUEが取得した「日本全国飛行包括承諾」は、そんな申請にまつわる問題がクリアになるだけに注目だ。CLUEでは、これまでの空撮や測量、インフラ点検などのサービス提供の実績により、今回の“申請なし”が認められたという。 ちなみに、現在CLUEが行っているドローン関連サービスは以下の通りだ。

【映像】:ドラマ・映画・音楽PVなどの撮影 【イベント】:企業・学校行事、卒業記念写真などのイベント撮影 PR:観光PR(海、山、河、湖、公園、史跡)、マンション、ゴルフ場、商業施設、住宅、風景などのPR用素材の撮影 【調査・点検】:ビルの壁面、災害現場、河川、構造物、山林管理、農地(田畑、牧場、ビニールハウス、野菜工場) 【建築現場】:建設現場工事、橋梁工事、河川工事、道路工事、大型建造物工事、宅地造成、ダム工事 【農業】:精密農業のためのNDVI(植生の分布などを示す指標)等の加工

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これらのサービスで使用する機体は、ドローンメーカー世界最大手DJI社や3D Robotics社などの製品を活用。いずれもプロフェッショナルユースのドローンとして定評がある機体で、用途に応じ使い分けている。

また、CLUEでは、今回のドローンのソフトウェアをオープンソースで開発するためのプロジェクト「Dronecode」へも加入。これは、IntelやQualcommなど大手外資系企業も参加しているプロジェクトで、CLUEはこの参加を通じて、ソフトウェアなどの開発体制も強化する予定だ。

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迅速なサービスが事業化を促進する?

このようにCLUEでは、ドローン飛行の“申請なし”により、ドローン関連サービスの展開を強化している。今後、他の企業でもこういった事例が増えてくれば、ドローンの産業活用はさらに進んでくるだろう。今後の動向に注目したい。

【参考】

※ 株式会社CLUEが飛行禁止区域および方法においての日本全国飛行包括承諾を取得 、ドローンを活用した測量や点検事業を展開 – PR TIMES

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